マザーダウンという不思議な現象

テーマ:羽毛ふとんのお話
もしあなたが羽毛布団を購入しようとネットでお探しなら、最近マザーグースとかマザーダックという表示がやけに多いのに気が付かれるだろう。

マザーグースとは何か?歌のことではなくて、産卵のための親鳥を指す。3~4年ほど飼育されるのが一般的だ。卵を産むということから、健康で体格が良い鳥が選ばれる。

ハンガリーの農場を訪れた時のことだ。その時はたまたまオスの選別を行っていたのだが、選別の方法はと聞くと「体格とアソコが大きいかどうか」だったので、我々がグースだったら・・・・と一同首をすくめたことがある。要は健康な遺伝子を残そうということだ。

ハンガリー

で、この体格が良く健康的な鳥、マザーグースから採取される羽毛は当然のことながら良質である。が、その数はそれほど多くない。一般は卵から孵って、早いものは若鳥として8~10週、長くて25週で肉と羽毛が得られる。グース農家は肉とその副産物である羽毛で生計を立てているからで、長く飼育すればそれだけ飼料など必要な、つまりコストの高いマザーグースを沢山育てるなどありえない。

通常は22~25週の良く生育した=成長したグースから採ったものと、マザーグースにそれほど大きな違いがあるわけではない。もちろんマザーグースの方が体格が良いものが選ばれるから羽毛が良いのは当然だが。ついでに言えば、マザーグースの羽毛も冬を越して夏を迎える時期の羽毛より、冬を迎える時期の羽毛の方が良いものが採取できる。

この件で検索していたら、私どもでロシア・ヴァルダイホワイトグースで販売している同じものをマザーグースとして販売している会社があった。原料が河田フェザーだから同じものだろう。非常にコストパフォーマンスが良い羽毛だが、マザーグースというほどではない。このヴァルダイには真にマザーグースともいえるステッキーダウンがある。(残念ながら現在では両方とも手に入らない) それ故、ダウンパワー420か430程度でマザーグースというのは片腹痛い。

結局のところ「マザーグース」「マザーダック」の多くは偽りかブレンドされている可能性が高い。
ハンドピック表示が使えなくなったので、と想像しているが、相も変らぬスペック信仰に右往左往しているのが布団業界ということになるのだろうか。

ちなみに、私の店でも1種類だけダウンパワー440のポーランドマザーグースがあるが、大切なのは羽毛の品質であって、それがマザーかどうかはどうでもいいのである。
もともとこのクラスは、もう少し安くて、ロットによってはより品質の良いシベリアングースを長年使っていたのだが、昨今の状況からトレーサビリティがしっかりしたものを、ということで、来春から泣く泣くポーランドに変えたということがあるのだが

食品偽装であれだけ評判になったのに懲りないのだろうか?

ホワイトグース
 

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