毛布の使い方

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
寒い。特に部屋の中が。
ヨーロッパでも寒波だそうで、来週出発する娘が「どうしよ~」と喚いていたけど、向こうは部屋の中が暖かい。
北海道でもそうらしい。ところが、我が家は築80年近くになる日本家屋。部屋は冷え切っている。

さて、寒いときには毛布をということになるのだが、今日はその使い方について。

アクリル毛布


その前に、保温力とはなにかを考えてみよう。

保温力とは字の通り、保温する=熱を逃がさない力である。これには2種類あるのをご存じだろうか?
まずは断熱性だ。断熱性が良いのは空気なので、空気を多く含んだ=嵩の高い布団は断熱性が高い。昨今、アルミシートの敷が通販などで販売されているが、これもアルミの断熱性を利用したものである。
もう一つは、空気を閉じ込めておく能力。身体の周りがすかすかだと、体熱で暖まった空気が逃げてしまうので、身体の周りの空気を逃さないようにするチカラ。これは寝具のフィット性が重要になる。

毛布はこの身体へのフィット性を高めるために使うものである。だから、しばしば羽毛布団を販売するときに使われたトーク「羽毛布団の場合は毛布は上に掛けて下さい」は本当は正しくない。もちろん、布団の上からかけるのであれば重ね着の理屈によって保温性は向上するが、この場合は別に毛布である必要はなく、肌ふとんでもキルトの上掛けでもいいのだ。

ファーやボアなど毛足の長い素材は暖かいが、これは接触温感が高いからだ。毛足の中に暖められた空気が閉じ込められるからである。毛足の長さはいろいろだが、毛布の表面にはこのような起毛や植毛がなされていて接触温感を高めるようになっている。一番最初に生まれたウールの毛布はウールの糸で織り上げた生地の表面をひっかいて起毛しているのである。

純毛毛布

このような毛布はかつて多く見られた。

さて、毛布は身体をくるみ、身体の周りの空気を逃がさないように使うのが重要な役割なので、身体に近いところで使うのが一番良いのである。

ところが・・・
素材を選ばないと、今度は湿度調整の問題が出てくる。それでは最適な毛布とは何なのか?

次へ続く

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