戦略的互恵関係?
最近「戦略的互恵関係」という言葉を良く見聞きします。これは安倍晋三首相と胡錦濤主席の首脳会談で合意されたものです。
これについて調べてみますと、要は「戦略;政治体制が異なる両国関係を踏まえて、互恵;お互いにメリットを享受することによって日中関係を発展させようとするもの」と云うことかと思います。
今日(18日)の産経新聞の正論に、西原 正(平和・安全保障研究所理事長)氏が「『戦略的互恵関係』という幻想」と題して記されていました。その末尾を記します。
“・・・・。日中両国政府は、「戦略的互恵関係を深める」を謳い文句にしているものの、今回の事件でそんな関係の構築は幻想ないしは虚構に過ぎないことが明白になった。
「戦略的互恵関係」という用語が使われだした08年5月以降も、中国は、東シナ海の日中中間線付近での石油採掘を日中共同で行うとされているのに、これに応じていないばかりか、自国独自の試掘を再開させたフシがある。
中国は日本の国連常任理事国入りに反対、北朝鮮に拉致問題解決を近年働きかけた様子もない。
中国は、東アジアでの米海軍や海上自衛隊の影響力を排除しようとしているし、戦勝65周年声明を出してロシアと戦略的関係も構築している。どこに日中の戦略的互恵の働きがあるのか。
日本は、対中関係を重視するのは当然だとしていも、過度の経済依存を避け、多少の経済制裁を受けてもあたふたしない態勢を整えて対抗措置も備え、一定の距離を保つようにすることを戦略としなければならない。
周辺国への上位意識を持ち覇権を振り回す一党独裁体制とのお付き合いには、それなりの気概が必要なのである。”
国家観なく、何事も場当たり的で都合の悪いことからは逃げて責任転嫁をする無責任内閣、櫻井よしこさんの言葉を借りれば「卑怯者外交では日本は潰れます」と言わざるをえません。
国民もそろそろ目覚めるときではないかと思います。