土徳
今日(1日)午後ふと机の横を見ると、以前某中学校の校長先生に頂いたプリントが目に入りました。それは某中学校が取り組もうとしておられる「地域支援構想」について記されたものです。
そこで目についたのは《土徳》と言う言葉です。それは文章の最後に「・・・、この地域の土徳(土地が持っている徳)を守り未来につないでいくことでもあります。」と記されていました。そこで土徳について考えてみました。
この《土徳》という言葉は、神仏の信仰、特に真宗の教えがその門徒衆の日々の生活に影響を与え、その地方特有の精神文化が創り出されたものを云うのだと聞いています。換言しますと、日々の生活の中に仏法を実感しながら生きる人々の土地柄とでも云うのかも知れません。
例えば、この地方には「「女の子をもらわあた(産まれた)」又は「男の子を授からあた(授かりました)」「ご飯をよばれる(食べる)」「ご飯をいただく(食べる)」「おかげさんで」「おせんどさん」等々の、畏敬の念や感謝・他を思いやる言葉があります。
これらの言葉は、「生かされていきて生きている」ことへの感謝の思いが表現されたものだと思います。
他にも、他人のお宅を訪問するとお家の人との挨拶の前にまずそのお家の仏壇に合掌をします。又初物は一番に仏様にお供えをします。これらは親様(仏様)へのご挨拶と感謝の思いではないでしょうか。
このような《土徳》が今日だんだんと薄れようとしています。そんな時、某中学校ではそうしたことの掘り起こしも兼ねて、地域力を教育活動に活用しようとされることに改めて敬意を表したいと思います。
地域力を活用して、思いやり・いたわり・感謝の心を育てていただきたいと思います。期待しています。