報道規制
今日(2日)たまたま2月4日の産経新聞を見ていると「南京事件犠牲者数中国当局、報道規制」と云う見出しが目に入りました。
“中国のメディアを管轄する共産党中央宣伝部が国内のメディアに対して、1月末に発表された日中歴史共同研究の報告書について、日本側と見解が食い違った南京事件の犠牲者数を報道しないよう指示をしていたことが3日分かった。
この背景には、中国側が宣伝してきた南京事件の「犠牲者30万人」に対し、日本側から異議が出されたことで、中国内で反日ムードが高まり、共同研究への批判が拡大する事に対する警戒感があると見られる”とありました。
このような事では、両国間の歴史の事実確認は中国に「学問の自由」が確立されない限り到底無理です。
私は、中国は他国との歴史の事実論争の前に、大東亜戦争後の自国の戦後史を国民に明確にすることが最優先事項だと思っています。
まずは1960年前後、毛沢東の指導の下に行われた大躍進政策です。これは大失敗に終わり、国内に4000万人前後の餓死者を出しました。
失脚した後再び毛沢東は文化大革命を引き起こします。そして結果は資本家・知識階級を中心に弾圧をし、5000万人前後の虐殺者を出しました。その他、天安門事件やベトナム侵攻、民族浄化の下数百万の人が虐殺された新彊ウイグル侵攻・チベット弾圧もあります。これらがここ50年の間に中国で行われたことです。
現代中国政治の専門家で東京外大の名誉教授であり元学長でもあった中嶋嶺雄先生は、中華人民共和国が建設後起こした人民への弾圧・迫害・虐殺行為等による犠牲者総数は2億人前後に及ぶだろうと推計しています。
このような中国政府と付き合うにはよほどの準備と覚悟を持って臨まないと、必ずや困難な問題が起こります。こうしたことが現政権党は分かっているのか、はなはだ疑問です。