櫻井よしこ
正論今月号P86;櫻井よしこの“民主・鳩山新代表に申す 国家観不在の「友愛」ではこの国を守れない”、を読みました。ここに一部を抜粋します。
まず核武装をめぐる鳩山氏の発言における変節について述べています。次いで、ロシアとの領土問題について“鳩山氏も麻生氏も領土問題に取り組むのはおおいに歓迎しますが、「自分の手で」などと思ったり、功を焦ったりしてはならない”(それぞれの祖父の外交を踏まえて)と述べています。
“「友愛」思考の危うい終着点”を読むと、“鳩山氏の「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」、及び「定住外国人に参政権ぐらいは与える度量の広さを日本人として持つべきではないか」発言を踏まえ、歴史の縦軸を考えていないことを露呈した”と述べています。
“氏の唱える「友愛」は、限りなく横に広がります。行き着く先は、無責任な政治がもたらす日本社会の崩壊と言っていいでしょう。私たちの祖先や子孫という縦軸を無視したものです”と結びます。
次いで、鳩山氏の“「憲法改正試案」における国際機関への主権の一部委譲”を提案したことにも触れています。これについては、“国際政治は常に冷厳です。鳩山氏の「友愛」など羽毛のごとく軽く扱われることを、代表就任を機に知るべきでしょう”と述べています。
次いで、鳩山・岡田新体制について述べています。ここでは“岡田氏は政界きっての外国人参政権推進論者です”と述べています。発言がぶれがちな鳩山氏と、人の話に耳を貸さない岡田氏、二人のコンビで政権を獲る日について、“わたしは不安を感じつつ、その時日本はどう変わるのか、有識者はなにをなすべきなのか、見定めなければならないと考えています”と結んでいます。
最後に“再び問う、首相は歴史の使命を果たせ”では、
“昨年9月に麻生政権が誕生して以来、私は麻生首相に、軍備をないがしろにした祖父、吉田茂の悔いをはらし、歴史の使命を果たせと言い続けてきました。しかしこの声が届いたとは、残念ながら思えません”と断じています。
その後には、
“現状を変えたい国民が望んでいるのは、党利党略を離れ、国家のために決断する政治リーダーの出現です”と。
そして結びに、“麻生首相に再び訴えたいのです。自身の使命を果たしてくださいと。内閣法制局の憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使の道筋をつくってくださいと。それも早急に、そうしてくださいと。何故なら、残された時間は、本当に限りなく限られているのですから。”
現状の日本国について、天下国家の有りようを想う人には悲壮感が漂いますが、党利党略の中で生きている人(目先のことしか見えない人たち)にはグローバル社会の中で日本のあるべき姿がとても見えていないと云うことでしょうか。
近づく衆議院選挙、主権は国民にあるのです。決して周囲に流されることなくしっかりと自分の目で人物を選びたいものです。