あれから20年
今日(6月4日)は丁度20年前(1989.6.4)の未明、北京天安門広場において「民主化」を求める多数の学生・市民・知識人・著名人等(最大時百万人)に対して中国人民解放軍による武力鎮圧(虐殺)が行われた日です。当時テレビで見ておられた方も多いと思います。
あの事件後中国は国策として国民の目を再び「改革開放」に向けました。しかし政治改革は全くなされず、一党独裁という何ともいびつな中で経済発展のみしました。
もう一つの国策として国民のガス抜き?をするために、江沢民政権は「反日教育」を推進すると共に愛国主義を掲げました。
しかし、これは数年前に「愛国青年」が起こした反日デモに発展し、反政府運動へ転換する一歩手前まで行きました。あれ以降中国の反日教育は少し影を潜めたように思います。
一方、政治改革を頑強に拒む政府の中で進める資本主義市場経済は、結果として貧富の格差拡大と腐敗の蔓延を招きました。今日、日々各地で繰り返される暴動を見ると政権に対する国民の不安が日増しに拡大しているように感じます。
政府は不安や不満を抑え込むため、今も改革派の人物には常に監視を付け軟禁・拘留をしています。この監視の目は中国全土に張りめぐらされていると云います。
そこにあるのは、20年前民主化を求める民衆に対して発砲し大量虐殺したことを正当化してきた政府が、今日その民衆に対して恐怖を感じている姿ではないでしょうか。
今日軍事大国を目指す中国は、アジアの安定においても世界の安定においても不安要素を多分に含んでいます。内外による内政干渉は決して許さず、内外の干渉(特に日本国)は執拗にする国がどこにあるでしょう。
日本国内は政権交代も取りざたされています。いずれにしても隣国中国とどのように付き合うかは避けては通れないと思います。私は各党のマニフェストに日本のあるべき姿とこの問題を是非取り上げていただきたいものと思っています。