日本人の誇りⅡ
昨日(2日)の国会における茶番劇、特に民主党内のそれは呆れて物が言えません。こうした事態になった原因が取り除かれないまま国政が進むのですから、復旧・復興はもとより、内政・外交共に山積した課題も停滞のままでしょう。菅内閣の期間は後日日本国にとって取り返しのつかない問題となるでしょう。
去る5月19日、西岡武夫参院議長は管直人内閣総理大臣に檄文を突きつけました。その内容はかなりの長文ですが一部を抜粋して記します。
“・・。菅首相、貴方は、即刻、首相を辞任すべきです。・・。3月11日の震災発生以来、菅直人氏は、首相としての責務を放棄し続けて来られました。・・。今、菅首相がお辞めにならなければ・・・・、原発事故がもたらす事後の重大な課題も解決できません。・・。私が疑問を持ち続けていることに触れてみます。
1.なぜ直ちに「緊急事態法」をまとめ立法化を図らなかったのか。看過できないことは10万人もの自衛隊員に出動を命じるときに安全保障会議を開かなかったことです
2.原発事故の初動で米軍の協力申し出を断ったことは判断の誤りです
3.被災者の皆さんに緊急になすべき事が出来ていない
4.首相の債務は被災による破損物等の処理ですが出来ていない
5.原発事故の正確な情報を国民に知らせるべきです
6.首相の政治手法はすべてを先送りすることです
批判が高まって、慌てて新たな工程表を5月17日に発表しましたが予算の裏付けはありません。・・。私は菅首相には内外の課題を処理する能力はないと考えます。
私は、いま、己の長い政治経験と、菅政権を誕生させた責任を感じ、断腸の思いです。放射能・放射線のために自分の生まれた土地を後にしたことも知らない幼児、母校を離れて勉強している子どもたちの澄んだ瞳を、私は真っ直ぐ見つめられるだろうか、と自問自答しています。”
“覚悟の出来ない首相、人の痛みが分からない首相、「虚栄心」という執着から離れられない首相・・・・・・、情報隠蔽、ただひたすら責任回避、政治家の皆さん、本当にこれでよいのでしょうか、よく考えてください。”とも述べています。
私は西岡武夫参院議長を見直しました。これほどのことを首相を始め各議員に訴える姿はまさに国士だと思います。しかし結果は昨日の通りです。
こんなおりに、ベストタイミングで藤原正彦氏の「日本人の誇り」が出版されました。東日本大震災にも触れておられます。
藤原氏は、ペリー率いる黒船が浦賀にやってきた1853年から1952年のサンフランシスコ講和条約までの100年を「百年戦争」と括り、その間日本人がどの様な考えに基づいて外交をし、また戦ってきたのかを事細かに記しておられます。
“日本人の築いた文明は個より公、金より徳、競争より和、主張より察する、惻隠や「もののあわれ」等を美しいと感ずる我が文明は、「貧しくともみな幸せそう」という、古今未曽有の社会を作った文明なのです”と。
今こそ日本人総てがここに立ち戻るべき時ではないでしょうか。
戦後の自虐的史観に取り付かれた日本人にとって、きっと目から鱗が落ちることと思います。政治家総べてはもとより、国民総べてのテキストにして頂きたいと思うほどです。