他業自得
自業自得ではないかとおっしゃる方がおられるかと思います。実際辞書検索しましてもこの言葉は出てまいりません。この自業自得は元は仏教用語で現代では「今の悪い状態の自分があるのは、今までの行いから出たことである。」と言う使い方をいたします。
本日、義母の忌明けの法要が行われました。例の如く法話がございまして、本日はこの話しをされました。前段で述べましたように悪いことに現代では引用されてますが、本来の仏教用語では「良い事も悪いことも、自分が行った事は自分が得ようとする事。」だそうです。
私達凡夫(ぼんぷ)は色々なこと、仕事にしても学んだことにしても自分のために行いますし、利益などは独り占めしたくなるのが人情です。ところが、お経でよく出てこられます法蔵菩薩はご自身が学んだこと、身に付いた利益(りやく)などを他人のために、他人が良い事が得られるように「自業他得」でいかれたそうです。
「自業他得」はやがては自分自身に返って「他業自得」ということでタイトルのようなことばになるということです。
これは商売でも言えるのかなと思いました。近江商人の言葉で「売り手よし、買い手よし、世間よし」という言葉がありますが、この「自業他得からくる他業自得」の考えも入っているのではないかと思います。
よく、色々なものを自分側に寄せてばかりいると、こぼれて逃げてしまう。逆に施そうとして向こうに追いやると自分の方に寄ってくると言われています。私など凡夫はいいものを独り占めして嫌な物を向こうへやろうとしてしまいます。逆なんですね。
しかし、そうは言ってもできないのが私のような凡夫です。