思うこと
今日(18日)の産経新聞「正論」は、屋山太郎氏の「農業と心中のTPP反対は愚だ」とありました。我が意を得たりの思いで読みました。私見を交えながら以下に思いを記します。
去る22年度最終議会(12月定例会議)最終日にTPP交渉参加に反対する請願と意見書が議員並びに産業建設委員会から提出され採決されました。請願等の内容は「国内農業に甚大な影響を与え地域経済に壊滅的打撃を与える」というものでした。採決に当たって私は離席しました。
かつてバナナの自由化にリンゴ農家は大反対しました。自由化の結果、リンゴは改良が進み今では台湾・中国に輸出され国内消費も格段に増えました。アメリカンチェリー自由化も同じです。反対した山形県のサクランボは改良を重ね、今では「赤い宝石」とも呼ばれ生産額は1,5倍に増えています。
今回のTPP協定交渉に挙がっているものは金融・通信・建設・ITなど24分野です。ところが日本のTPP参加反対理由の多くは自国の「農業保護」です。この農業従事者の平均年齢は65歳を超えており、現状では数年先に国内農業は衰退し田畑は休耕田化し荒廃します。
私は農業への各種業界の参入を認め、日本の農業を輸出産業に変えてゆくべきだと考えています。そのためには農地法の改正も必要となるでしょう。国内の米は海外の米などまったく恐るに足りません。既に中国の富裕層は日本の安全で美味しいお米を高額で購入していると云います。
韓国はアメリカとFTAを締結しました。李明博大統領は反対する農業者に、「自動車・テレビなど非農業部門の生産や所得が上がってこそ、自国農産物の消費も増えるのだ」と説明しています。
このままでは円高に伴う日本企業は国際競争に立ちゆかなくなり、結果、隣国韓国への流出は加速するでしょう。理由は米国との2.5%の関税はなく、日本の法人税率40%が24%、電力料金は日本の4割と安いことです。結果、国内産業は益々空洞化してゆくのではないかと極めて心配です。
日本がTPPに参加するメリットは関税ゼロのみならず、米国を中心に太平洋を取り巻く国々との連携を強化し安全保障の効果を高めることにもあります。一方で、国内においては食糧自給を含めた第二の農地改革も必要となるでしょう。
政府はルールつくりから始まるTPP交渉に最初から参加すべく、一刻も早い決断をするべきだと思います。どうしても条件が折り合わなければ参加を見合わせ、まずアメリカとのFTAを締結すべく交渉をするべきだと思うのですが?