寝返りすると眠れるんですか?

テーマ:ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
今日、東京の通販番組を制作している会社から電話があった。

「うちで、新しい低反発マットレスを扱うんですね。それは、従来の低反発マットレスと違って寝返りが打ちやすいんですが、寝返りが打ちやすいと血行が促進されて眠りが良くなるってことはあるんでしょうか?」

なんで、うちに電話がかかってきたのかよくわからないが、「またか・・・」という誤謬である。
確かに低反発マットレスは、寝返りが打ちにくい。しかも、沈み込んでしまうし、湿気の循環が良くないので蒸れやすく、しかもへたりやすい。私にとっては使いたくないマットレスの最上位にくる。もちろん、私の店でおすすめすることはない。

一方で高反発タイプというのがあるが、これは「寝返りのうちやすさ」を旗印にしているものがある。が、何をもって高反発・低反発というのか、そもそもの定義が曖昧だ。

従ってどちらが良いんですか、といわれても答えようがない。使う人の体格・体質・寝姿勢・好みによってまちまちだからだ。

一般的には、硬すぎるマットレスだと寝返りが増える。寝返り時には睡眠がかなり浅くなるので、寝返りが多いと睡眠の質は低下する。一方、ある程度の寝返りは必要だとされる。ところが、医学的に何回が最適かは、未だかつて研究されたデータを見たことがない。(寝返りが睡眠にどう影響するかという研究はあるのだが、何回ぐらいが最適かは無い。このあたりはパラマウントベッドがけっこう研究熱心である) よく20回ぐらいが良いといわれるのだが、これぐらいのバランスが良いんじゃないですかという感じで捉えてもらった方がいいだろう。そもそも、寝返りの基準も実験によってあいまいだ。

つまり、寝返りのしやすさは快眠の必要条件であるけれど、寝返りがしやすかったら快眠できるという十分条件ではない。自分に合うものを探そうとするなら、やはりカウンセリングをして、フィッティングが必要だろうと思う。時間をかけてカウンセリングしても、しばらく使用しているうちに合わなくなってくるということもあるのだから、このテーマは実に奥が深い。簡単に「・・・ですか?」といわれても困るのである。

ちなみに通販番組のええかげんさは、有名な低反発マットレスのCMを見て欲しい。何百万台も出荷しているそうで、顧客満足度は97%だそうである。もっともその顧客満足度は136名中の132名のデータだそうだから、この数字のギャップは何だろうね。ちゃんとフィッティングされた寝具に寝ている人が使ったら、どれだけ数字が取れるか興味深い。

だいたい、寝具における低反発素材はすでに終わっている。まともな寝具メーカーはメインで扱うことは決してない。東京西川の新しいカタログが来たけど、低反発は枕で一部使われているだけだ。

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睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

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