睡眠の主観評価と客観評価

テーマ:眠りのお話
先日大阪でのこと、後輩たちと話していたときに
「睡眠って話題になっているし、大学とかと連携して結果を出せないのですかね?」
「それは、エビデンス(証明)を取るのが難しいな」
「なんで?」
「現状では睡眠の質を客観的に測定するにはPSG(終夜睡眠ポリグラフ)を行わなければならないんだけど、これがやっかい」
「なんせ因子が多すぎる。最低8人の被験者が必要。その人たちに寝具を変えるとどのように睡眠が変わるのかを検証しようと思うと、敷は3種類は必要だろうし、掛も同じぐらい、枕もとなると組み合わせは3×3×3=27日間。しかも体のコンディションは変わるから、一つの組み合わせに対し3日分のデータを取ろうとすると、延べ81日間×8人分ぐらいはデータが必要になる。」
「PSGは1日あたり10万円はかかるから、検査費用で6000万以上 3ヶ月の被験者の確保も大変。基礎代謝量などの体質、体重を含めた体格、年齢、性別によっても答えが違ってくる。」
「もちろん、病気と認定されるぐらいの重度の睡眠障害なら結果は明白に出やすいのだけど、健康体で睡眠の質に不安がある、という程度の一般的な人の場合差が出にくい。さらに、『よーく眠れたな』という主観的な評価と客観的な評価は必ずしも一致しない」
「このことから考えると、主観評価だけで寝具の良し悪しを語る部分なら、PSGのような大規模な実験は必要ないかもしれない、ただ主観評価用で認定されているPSQIテストは睡眠障害でない人では差が出てきにくいからね」

もちろん大学などが国の支援を受けて大規模な睡眠に関する研究を行えばいいのでしょうが、残念ながら医学部系の研究機関は寝具に関しての研究がほとんどなされていません。工学部系は「へたり」「体圧分散」「吸湿性」「保温性」などのテストはしていますが、静的テストがほとんどで、実際に人間が入った場合の動的テストについては、その基準も決まっていません。それらを変化させて睡眠がどう変わるか、は費用面もあって十分取り組めていないのが私の知る範囲では現状と思われます。(滋賀医科大学睡眠学講座・大田睡眠センター・足利工業大学睡眠科学センターの情報から)

というわけで、道はまだまだ遠い

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