暖かい布団とは その2
テーマ:眠るための道具・寝具のお話
2010/12/27 23:24
さて、その1では、旧来型の寝具の暖かさについて述べたが、その2では、新しい寝室環境における寝具の暖かさ、いや快適さについて述べてみよう。
今日新築される一戸建て、あるいはマンション、アパートなどに共通するのは保温性の良さと気密性の高さである。エアコンは必須であるし、床暖房もめずらしくなくなっている。
このような住環境では、冷え込んだ凍えそうな寒さというものは実感することが少ない一方、気密性が高いために、湿気のコントロールが難しくなってしまう。すなわち、保温性より、温湿度の調整をうまく行なう事の方が重要になるのだ。
おさらいしてみよう。伝統的な日本家屋は通気性が重視されていて、保温性は少ない。その中で、従来多く用いられてきた木綿わたの布団で眠ると、布団を暖めるのに多くの時間と熱量を必要とする。
ところが、高気密高断熱性の住宅だと保温性はそこそこ確保されているが、通気性に乏しい。布団の中わたも羽毛が主流になってきているので、保温性には事欠かない。布団が暖まるのが早くなるのである。
ところが、保温性の高い寝室で羽毛布団を使うと、保温性が非常に良いので、熱の上昇が素早くなる。ヒトは最初のノンレム睡眠時(入眠後45分~1時間ぐらい)に最も多く成長ホルモンを分泌し、その際に最も多く発汗する。すると、身体の温度に暖まるのが早い状態で、多くの発汗する状態になると、今度は蒸れが生じるのだ。
快適な寝床内環境は温度33℃、湿度50%といわれるが、早々に33℃に達して、そこに多量の発汗では蒸れるのが当たり前である。今日の睡眠環境においては、保温よりも湿度を上げない工夫が必要になってくる。
さて、その羽毛ふとんだが「厚すぎて暑い」ということを最近聞くようになった。良質の羽毛ふとんほど多層構造で、良い中身を多く入れる傾向にある。たしかに多層構造は保温性に良いが、一方で湿気の逃げは良くない。代謝量が低く、冷え性気味の女性ならいいかもしれないが、代謝量の高い人に取ってみれば、蒸れの原因となる。今日の寝室環境ではなおさらだ。
暖かい寝具を選ぶということは、今日的な意味では「適切な温湿度を保つことができること」に変わったのだ。
(つづく)
今日新築される一戸建て、あるいはマンション、アパートなどに共通するのは保温性の良さと気密性の高さである。エアコンは必須であるし、床暖房もめずらしくなくなっている。
このような住環境では、冷え込んだ凍えそうな寒さというものは実感することが少ない一方、気密性が高いために、湿気のコントロールが難しくなってしまう。すなわち、保温性より、温湿度の調整をうまく行なう事の方が重要になるのだ。
おさらいしてみよう。伝統的な日本家屋は通気性が重視されていて、保温性は少ない。その中で、従来多く用いられてきた木綿わたの布団で眠ると、布団を暖めるのに多くの時間と熱量を必要とする。
ところが、高気密高断熱性の住宅だと保温性はそこそこ確保されているが、通気性に乏しい。布団の中わたも羽毛が主流になってきているので、保温性には事欠かない。布団が暖まるのが早くなるのである。
ところが、保温性の高い寝室で羽毛布団を使うと、保温性が非常に良いので、熱の上昇が素早くなる。ヒトは最初のノンレム睡眠時(入眠後45分~1時間ぐらい)に最も多く成長ホルモンを分泌し、その際に最も多く発汗する。すると、身体の温度に暖まるのが早い状態で、多くの発汗する状態になると、今度は蒸れが生じるのだ。
快適な寝床内環境は温度33℃、湿度50%といわれるが、早々に33℃に達して、そこに多量の発汗では蒸れるのが当たり前である。今日の睡眠環境においては、保温よりも湿度を上げない工夫が必要になってくる。
さて、その羽毛ふとんだが「厚すぎて暑い」ということを最近聞くようになった。良質の羽毛ふとんほど多層構造で、良い中身を多く入れる傾向にある。たしかに多層構造は保温性に良いが、一方で湿気の逃げは良くない。代謝量が低く、冷え性気味の女性ならいいかもしれないが、代謝量の高い人に取ってみれば、蒸れの原因となる。今日の寝室環境ではなおさらだ。
暖かい寝具を選ぶということは、今日的な意味では「適切な温湿度を保つことができること」に変わったのだ。
(つづく)