暖かい布団とは その1

テーマ:眠るための道具・寝具のお話
久しぶりに寝具ネタに戻ってきた。

布団の形容詞に最もぴったりくるのが「暖かい」という言葉だろう。それでは暖かいとはどういうことなのか、そのメカニズムを説明してみたい。

暖かいとは、要は自分の身体の体温で暖まる(というか熱が逃げない)ことだ。基本はここにあるのであって、電気毛布などの暖房器具はあくまで補助的に使われるべきだろう。この、身体の体温でもって眠れることを、私は「自然な眠り」と呼んでいる。ヒトの身体のメカニズムに合った睡眠だからだ。

しかし、この自然な眠りも、それを実現する方法は時代と共に変わってくる。

この20年で最も一番大きく変わったのは家の構造であり、寝室の保温性や通気性だろう。
その昔、いや今でも日本家屋で木綿わたの布団に寝ている方もまだまだ多いはず。木綿は汗をよく吸うので、こまめに干さないと、じとっとして湿気を帯びてくる。日本家屋の保温性は無いに等しいので、部屋の中は冷える。当然寝具も冷えるわけで、寝る前には湿気を帯びた冷たい布団となっている。

ここへヒトが入るとどうなるか。まずヒトの体温36℃でもって、布団が暖められる。暖められるに従って湿気は次第に発散されるが、この過程ではかなりな熱量を必要とする。当然ヒトは寒く感じるので、体温を逃がさないようにするために血管は収縮する。一方、ヒトは眠る時に内臓温度を下げるために、血液をラジエーター液として、末梢血管をラジエーター代わりに熱を放出するわけだが、血管が収縮するとラジエーター効果は得られなくなるので、なかなか眠れなくなるわけだ。

これを解決するためには、ヒトの周りに熱を奪わない早く暖まる、湿気の少ない素材を用意するのがベターである。それがアクリル毛布という訳だ。アクリルは汗をほとんど吸わない+毛足が長いために身体にまとわりつくので、結果早く暖まり+熱も逃げないのだ。それゆえ、重いのは承知で2枚あわせのアクリル毛布が一世を風靡した。まず毛布が暖まってから、徐々に布団が暖まるようになったので、このような寝室環境下ではアクリル毛布を使うのは理にかなっている。

もし、布団の湿気が少なく(干したすぐ直後)、布団が暖まっていれば毛布の必要性は下がる。
冬の朝の布団が気持ち良いのは、温度が最適に・・約33度になっているからだ。だから、布団から出にくいわけだが・・・

ちなみに電気毛布は寝る前に布団を暖めるために使い、寝る時に切るのが最も良い。というか、電気毛布を使わなくてすむ保温性を確保することが大事なのだ。ヒトは眠ると体温を下げるのだが、電気毛布を使うとこの体温がなかなか下がらない。結果、身体は休まらないし、身体は体温を下げようとして発汗するから皮膚表面や身体の水分を奪う。寝ている時に電気毛布が無いと寒いのであれば、それは布団(特に敷布団)の保温性、あるいは熱遮断性が不足しているからである。
もちろん代謝量が下がっている高齢者の方は、熱量不足になりやすいのだが、電気毛布を高温で使うのは以ての外である。眠る1時間前に、寝具を十分暖めておいて、それでも寒い場合は最も低い温度設定にすべきであろう。

(つづく)

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曳山博物館前の眠りのプロショップSawadaのオーナー
睡眠指導士や睡眠環境コーディネーターの資格を持ち、日夜快眠実現のために、いろいろと寝具やベッドの研究を続けています。

副業として、アートインナガハマなど、街中のまちづくりにもいろいろ関わっています。

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