ビル・ゲイツの思い出

テーマ:コンピュータ
ビル・ゲイツが一線を退くという報道を聞いて、約30年ほど前のことが思い出されました。
といっても直接本人に会ったという訳ではありません。

当時、大学2年生。同年の従兄弟が「おい、マイクロコンピュータが出たぞ」・・・というのはトレーニングキットが市販された頃。NECのTK-80がその代表格でした。16進数で8080CPUの機械語入力するスタイルです。
その頃アメリカでは、すでにBASIC言語が流行っていました。最初はPalo-Altoで作られた整数型のTiny-BASICですね。そのスタンダードともなった、Altair8800用のマイクロソフトBASICの中身を見たときにぶっ飛びました。
「ビル・ゲイツって天才」

一番感心したのは、文字型変数の扱いです。APPLE2のBASICやHPのBASICが文字型変数はあらかじめ領域確保して静的に使うタイプに対し、MICROSOFT BASICはポインタを使って動的に長さを自由に変えることができたのです。IBMのディスケットファイルシステムに対する、現在のFATシステムみたいなものですね。

文字列領域が少なくなると、開いた領域を探すガーベージコレクションが行われて(FATにおけるDEFRAGみたいなこと)、処理が途中で止まったりするのは愛嬌でしたが、その考え方がすごいのと、8Kバイトのメモリの中にこれだけの言語処理機能を組み込んじゃうんですよね。(8Kというのはプログラムエリアも含めてだったので、確か実際の処理系は5K程度だったはず。後述のスタートレックは言語処理プログラム=インタープリタ含めて8Kのメモリで動作した。BASICは4Kバージョンもあったらしいが見たことない)

当時はメモリも8Kバイト程度(8Mじゃないよ)、私が初めて買ったTRS-80も16Kバイトでしたから、少ないメモリで如何にうまく動かせるかが、ソフトウェア技術者の見せどころでした。有名なスタートレックのプログラムもすごいですね。いかにエレガントにプログラムを作るかという、ソフトウェア技術の美学のようなものがあった古き良き時代です。

その後ソフトウェアづくりにはまり、卒論はコンピュータシミュレーションで取りましたが、アメリカで作られたオペレーティングシステム(まだCP/Mの時代)の解析をすればするほど、そこにある思考の新しさにショックを受けたものです。

今ではWindowsも、力でねじ伏せるようなシステムになってしまいましたが、日本語Windows2.1が手元にあります。今から見ると、実にほほえましいシステムです。
マイクロソフト帝国となってしまったビル・ゲイツを揶揄する向きもありますが、若き日の彼の仕事っぷりはすごく、APPLEのJobsと同様あこがれですね。

コメント

  1. 2008/06/23 09:46
    はかせ、ビルはともかく「カタカナ」に漢字でルビをお願いします。
  2. 2008/06/23 10:37
    う~ん コンピュータ用語は難しいなぁ

    マイクロコンピュータ=超微細中央演算処理部品
    トレーニングキット=中央処理装置評価練習用基盤
    ディスケットファイルシステム=磁気円盤内情報配置機構
    ポインタ=格納場所指示情報
    ガーベージコレクション=落穂拾
    バイト=弐百五拾六文字
    スタートレック=宇宙大作戦
    インタープリタ=電算処理逐次翻訳実行機能
    コンピュータシミュレーション=電算上仮想空間模擬実験
    オペレーティングシステム=実行調節連携機構=外部交渉機能付順番実行命令的局
    マイクロソフト=始超微細電算命令制作会社、現在超巨大電算命令制作会社

    こりゃ結構はまるな・・・
  3. 2008/06/24 12:14
    う~ん、まじでやったか~。中国ではコンピュータは「電脳」というらしいけど言い得て妙ですよね。日本では当て字コンテストというのが以前あって、パソコンは「場所困」というのが確か1位でしたか。

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