年頭コラム:環境と健康 - 睡眠の三方よしをめざし
テーマ:眠りのお話
2013/01/01 16:05
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
年頭コラム:環境と健康 - 睡眠の三方よしをめざして
眠りのプロショップSawada 代表取締役 沢田昌宏
この2年間というものは原発問題がクローズアップされ、環境問題の筆頭であった低炭素社会づくり(=CO2削減)はあまり語られることがなくなってしまいました。しかし、問題そのものがなくなったわけではありません。原発問題はもっとやっかいで、「原子力という人類がコントロールできないものは、そもそも使うべきでない」という思想と、「科学技術はそういった問題を克服し人類を発展させてきた」という思想のせめぎあいと、現実的に電力が不足したり、化石燃料の増加がCO2の増大をまねく一方で、福島のように一旦事故があると取り返しがつかなくなる、というリスク管理の問題がいれ混じって、さまざまな議論がなされています。
突き詰めてみると、CO2の問題も原発の問題も私たちの生き方の問題にかかわってくることではないでしょうか。江戸時代の日本は世界でも最も安全で、しかも資源効率が非常に高い社会だと、近年見直されています。一方で、今の現実世界はグローバル化経済の中で、大量生産・大量消費モデルが幅をきかせています。価格を下げるために海外で大量生産が行われ使い捨ての「だだくさ」な消費行動になっています。安いことは悪くありませんが、一方でこれは幸せでしょうか?
資源が有限である以上、いつまでも続くはずがありません。そうは思いつつも、今さら江戸時代の生活に戻ることもできず、日々が過ぎていきます。とはいえ、何らかのアクション、賢い選択をしていくことが必要ではないかと考えています。
当社は2007年に第9回グリーン購入大賞で中小企業部門において大賞をいただきました。グリーン購入とは購買時や販売時に環境に負荷をかけないような行動を推進していく、経済版環境保全運動の一種です。当時は、布団が粗大ゴミの№1になっている(東京都で年間60万枚)現実の中で、いかにして長く使うか、廃棄時にゴミを最小限にするかという視点から、1998年より独自にグリーン購入基準を定めて取り組んできたこと、羽毛のリフォームの機械を店頭に設置し、資源の再利用に積極的に取り組んでいることが評価されました。
長期間使用でき、可能な限り生分解可能な天然素材を使い、リフォームや打直しを通じて資源の再利用が可能な寝具の開発と販売を行っています。金属スプリングのマットレスを扱っていないのもこの理由からなのです。また、輸送時のCO2を削減するために、麻や真綿といった地元の素材を使った寝具の地産地消にも積極的に取り組んでいます。
最近ではヨーロッパから直接輸入する寝具も増えました。輸送時のCO2の問題はありますが、ヨーロッパ(特にドイツ語圏)は伝統的に環境問題に厳しく、天然素材を重視し長く使うというスタイルの寝具を開発しているメーカーが多いのです(例:Relax社)。自然な素材で自然な眠りをという当社のコンセプトに近いものを選ぶと、どうしてもヨーロッパものが多くなってしまうのです。
さて、その眠りですが、昨今睡眠の質が悪い、ちゃんと眠れていないという人がかなり増えています。ある研究によれば睡眠障害による社会的損失は年間3兆5000億円にもなるそうで、GDPの1%に届きそうな金額です。これらの損失は睡眠不足や障害によって発生する事故、作業効率の低下によってもたらされるといいます。逆に考えてみれば、睡眠を改善することにより、社会的損失は減るのです。事故がなければ、効率が良くなって残業が減れば・・・いろいろなことでCO2は削減されていきます。なにより、睡眠を改善することは健康(体だけでなく心も)の維持に直接つながっていき、増大する医療費の減少にも役立つのです。
睡眠による三方よしをめざす
私たちは「質の高い睡眠を提供する」ことにより、健康(心も身体も)に良し、地球環境に良しを目指し、長浜という地域でこのビジネスを発展させることにより地域(働き手)よしという、三方よしのを目指したいと考えています。今年の目標「快眠保証書づくり」はそのために必要なこととして取り組みます。眠りのプロショップSawadaの使命(ミッション)として。
年頭コラム:環境と健康 - 睡眠の三方よしをめざして
眠りのプロショップSawada 代表取締役 沢田昌宏
この2年間というものは原発問題がクローズアップされ、環境問題の筆頭であった低炭素社会づくり(=CO2削減)はあまり語られることがなくなってしまいました。しかし、問題そのものがなくなったわけではありません。原発問題はもっとやっかいで、「原子力という人類がコントロールできないものは、そもそも使うべきでない」という思想と、「科学技術はそういった問題を克服し人類を発展させてきた」という思想のせめぎあいと、現実的に電力が不足したり、化石燃料の増加がCO2の増大をまねく一方で、福島のように一旦事故があると取り返しがつかなくなる、というリスク管理の問題がいれ混じって、さまざまな議論がなされています。
突き詰めてみると、CO2の問題も原発の問題も私たちの生き方の問題にかかわってくることではないでしょうか。江戸時代の日本は世界でも最も安全で、しかも資源効率が非常に高い社会だと、近年見直されています。一方で、今の現実世界はグローバル化経済の中で、大量生産・大量消費モデルが幅をきかせています。価格を下げるために海外で大量生産が行われ使い捨ての「だだくさ」な消費行動になっています。安いことは悪くありませんが、一方でこれは幸せでしょうか?
資源が有限である以上、いつまでも続くはずがありません。そうは思いつつも、今さら江戸時代の生活に戻ることもできず、日々が過ぎていきます。とはいえ、何らかのアクション、賢い選択をしていくことが必要ではないかと考えています。
当社は2007年に第9回グリーン購入大賞で中小企業部門において大賞をいただきました。グリーン購入とは購買時や販売時に環境に負荷をかけないような行動を推進していく、経済版環境保全運動の一種です。当時は、布団が粗大ゴミの№1になっている(東京都で年間60万枚)現実の中で、いかにして長く使うか、廃棄時にゴミを最小限にするかという視点から、1998年より独自にグリーン購入基準を定めて取り組んできたこと、羽毛のリフォームの機械を店頭に設置し、資源の再利用に積極的に取り組んでいることが評価されました。
長期間使用でき、可能な限り生分解可能な天然素材を使い、リフォームや打直しを通じて資源の再利用が可能な寝具の開発と販売を行っています。金属スプリングのマットレスを扱っていないのもこの理由からなのです。また、輸送時のCO2を削減するために、麻や真綿といった地元の素材を使った寝具の地産地消にも積極的に取り組んでいます。
最近ではヨーロッパから直接輸入する寝具も増えました。輸送時のCO2の問題はありますが、ヨーロッパ(特にドイツ語圏)は伝統的に環境問題に厳しく、天然素材を重視し長く使うというスタイルの寝具を開発しているメーカーが多いのです(例:Relax社)。自然な素材で自然な眠りをという当社のコンセプトに近いものを選ぶと、どうしてもヨーロッパものが多くなってしまうのです。
さて、その眠りですが、昨今睡眠の質が悪い、ちゃんと眠れていないという人がかなり増えています。ある研究によれば睡眠障害による社会的損失は年間3兆5000億円にもなるそうで、GDPの1%に届きそうな金額です。これらの損失は睡眠不足や障害によって発生する事故、作業効率の低下によってもたらされるといいます。逆に考えてみれば、睡眠を改善することにより、社会的損失は減るのです。事故がなければ、効率が良くなって残業が減れば・・・いろいろなことでCO2は削減されていきます。なにより、睡眠を改善することは健康(体だけでなく心も)の維持に直接つながっていき、増大する医療費の減少にも役立つのです。
睡眠による三方よしをめざす
私たちは「質の高い睡眠を提供する」ことにより、健康(心も身体も)に良し、地球環境に良しを目指し、長浜という地域でこのビジネスを発展させることにより地域(働き手)よしという、三方よしのを目指したいと考えています。今年の目標「快眠保証書づくり」はそのために必要なこととして取り組みます。眠りのプロショップSawadaの使命(ミッション)として。