惻隠の情
昨日(20日)昼、北朝鮮の総書記が亡くなったことを報道していました。今後北朝鮮国内がどの様になるのか気になるところです。
そこで黄文雄氏の「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」を思い出しました。
「ドイツではみな、万歳万歳土と叫んでいるのに、日本の首相は敵の大統領の死を悼む弔電を送ってきた。やはり日本はサムライの国だ」―トーマス・マン―
これは、大東亜戦争の最中交戦国のアメリカ大統領ルーズベルトが急死したときヒトラーは狂喜したのに対して、ときの鈴木首相はアメリカ国民に対して弔意を表す談話を発表しアメリカ国民に感銘を与えたことを語ったものです。
敵味方の区別無く、優しい思いやりのこもった振る舞いをするのが日本人の心、則ち、武士道であり惻隠の情なのです。
旅順陥落後、水師営で乃木大将がステッセルと会見したときの態度もしかりです。後日ステッセルがロシア皇帝に責任を問われ銃殺刑を宣告されたときも、祖国のために如何に闘ったかを記し皇帝に送ります。
皇帝は乃木大将の手紙に心を動かされステッセル将軍をシベリア流刑に減刑します。その後も乃木はステッセルの家族に私費で支援を続けました。
この時日本がロシアの捕虜にした待遇は、決して大東亜戦争のときのロシアが日本人にした様なものではありません。日本にいた捕虜のほとんどは、生活面の自由を享受し、皇室から庶民に至る日本人の同情を受けていました。
金正日総書記の死に対して日本政府は何らかの弔意を語るときだと思うのですが・・・・。これこそ武士道の精神惻隠の情と云うものだと思うのです。