闘魂注入!と体罰
先日の大阪の桜宮高校の体罰事件。自殺してしまったのは本当に残念ですね。確かに、両親から申し入れてもらったとしても、その生徒は退部するようになるでしょうね。
日本のスポーツの世界は、強いクラブになるとどうも体罰がよくあり、それが当然というようなことがあるようです。
代表的な例は、格闘技の世界に多く、アントニオ猪木さんの闘魂注入と称して男も女も関係なくビンタをすることなんかよくテレビで放送されていますね。
「猪木さん、お願いします。」と言って、猪木が一発バシッとビンタ。「ありがとうございました。」とお礼を言うことなんかお笑いの世界でよくあります。
私も柔道をやっていましたが、強い選手は指導者からよく、張り手やけりを入れられていました。竹刀でぶつのは当たり前でしたね。
私のようなあまり強くない人間はそうでもありませんが、竹刀をばらした竹でシバかれるのは日常茶飯事でした。ある程度鍛えている格闘技の選手ですから身体がおかしくなることは、ありませんでしたが、今回の様に30~40回(10回も違えば大変なんですけど)も平手打ちされたら、身体がおかしくなります。現に母親がその教師に「こんな腫れた顔で指導ですか、体罰ですか。」と泣きながら言われたことから、相当ひどいことをしたんだなと思います。
「強くしたい、彼らを日本1にしてやりたい。」と指導者が強く願えば願うほど、手が出るのはあると思います。それによって格闘技なんかは選手が「悔しい。強くなりたい。負けてたまるか。」という気持ちが出るように、やはりなります。
ただ、どんな世界でもそうですが、叱る・指導するのと、自分の気分で怒るのとは違います。その辺はわきまえて欲しいですね。
数年前、ラグビーの平尾誠二氏の講演会で彼が言っていました。「日本のラグビーは監督が試合中によく怒っている。怒って、解決するのか?試合の流れが好転するのか?」とヨーロッパの指導者に言われたそうです。
20年くらい前のバレーのワールドカップで各国の監督の紹介で「日本の葛和監督(当時)は怒る、怒る。」とその場面を強調して紹介されていました。
ある程度は厳しく鍛え上げるのもいいのですが、怒って意味があるのかないのか?そのあたりは学校教育だけでなく社員教育でも考えるべきではないかと思います。