74歳のお友だち
私には町内で少し歳の離れたお友だちがいます。
今もとってもチャーミングな方ですが、若い頃はもっと可愛かっただろうな。
長い間ご自分のお母様の介護をされていてご結婚はされていません。
今もお一人で暮らしておられます。
ちょっと知人に美味しいケーキをいただいたのでお裾分けに行こうと、前日に電話をして I さんがお留守じゃないかを確かめて、午後3時にお伺いする約束をしました。
このケーキも並ばないと買えないケーキらしいです。
中はこんな感じ。
チーズのスフレケーキですね。
前日に切り分けてもう一種類のケーキと一緒にして、持って行けるようにちゃんと箱に入れました。
そしてお昼一番に役場へ行って用事を済ませ、メール便を出しにコンビニに行って、ついでにガソリンを入れて、銀行に寄って振込みをすませ、ちょうど3時10分前に家に到着。
ケーキを持ってIさんの所へさあ行きましょうとしていたその時、阪急百貨店からお電話が。
純米大吟醸 翔 のことでお客様からお問い合わせがあったとのこと。
○○さんのご住所は私が出したDMの中にあるか調べてくださいと。
3時にお約束していた I さんに少し遅れるけど待っててねと電話をかけて、急いで調べます。
ようやく仕事を済ませ、さあ今度こそと思ったら携帯のメールでお酒の配達が。
もうすでに私は焦りまくり。
なんで今日にかぎってこんなに用事が。
約束の時間を30分ほど過ぎてしまい、ケーキを片手に慌てて走りました。もう片方の手には振り込みの終わった通帳と書類を持って。
こけました。 どんくさ~。 膝、青たん。 手擦り剥けてる。
箱の中のケーキは無残な姿に。。。とほほ~
二種類のケーキが一個の固まりに・・・
仕方がないので冷蔵庫に中に入れておいたお皿のままのケーキを持っていきました。
よかった~残ってて。
この74歳のおばさんは、うちが自治会長をした時にご近所で手伝いにきてくださった方で、その時から気があってお付き合いがはじまりました。
でも歳の差を感じないとっても素敵な女性です。
私も主人も大好きなおばさんで、時々尋ねていましたが、ここ最近ちょっと忙しくて行けてませんでした。
美味しいケーキをいただいたので一緒に食べていただくことにしたのです。
いつもは玄関先でお話して帰るだけですが、「あがっていき」と言っていただきお言葉に甘えてあがらせていただきました。
家の中もとっても綺麗に片付けておられます。
お手製の刺繍のついたて。
綺麗。
す・すばらしい!
なんとも器用な方です。
普段こんなことができるんよなんて全然話されたことがなかったので知りませんでしたが、話しているうちに編み物の先生をしておられたことがわかり、Iさんの作品の載った本も見せていただきました。
少しも威張った所がありません。
人生の大先輩なんだけれど、とっても気さくで笑顔の素敵な方です。
こんな歳のとり方がしたいねとよく主人と話しています。
最近同い年の仲の良かったお友だちが入院されて少し寂しい思いをされていたみたいで、私が訪ねて行った事をすごく喜んでくださいました。
美味しい紅茶を入れていただき、二人で喋りながらケーキを食べて過ごしました。
壁にこんなことが書かれた紙が貼ってありました。
Iさん:「いい言葉やから書いて貼っておくんよ」(他にもいっぱい書いてありましたが私が一番に目に付いた言葉)
『焦らずゆっくりと』
私のための言葉や~と思いました。
朝から用意してくださっていたのでしょう、『ちょっとこれ食べてみて』と言って根菜の入ったクリームスープを味見させてくださいます。
私:「おいしぃ~」
Iさん:「気に入ったらもって帰り」
私:「遠慮なくいただきます!」
Iさん:「おいしいジャガイモももらったから持って帰り」
私:「わぁ~い、ありがとうございます」
となんだか色々いただきにいったみたいで、持っていった時より多くのお土産をいただいて帰ってきたのでした。
気の会う人に歳は関係ないなと私は思います。
ちょうど実家の母の一つ上の歳になります。親子ほど歳は離れていますますが、私の大切なお友だちです。
また美味しいもの持って遊びに来ますね、と I さんの家を後にしました。
膝はジンジン少し痛かったけど、心はほっこり温かかったです。
老いは足から忍び寄っています。
もっと鍛えねば。