日本とモンゴル
朝青龍の引退で日本とモンゴルでは、そのことに関する報道が予想通りぜんぜん違うようです。モンゴルでは英雄の朝青龍を日本の相撲協会やマスコミがいじめ、大鵬や千代の富士の記録までが更新されるのを恐れたために、このようになったといわれているようです。そんなことから日本とモンゴルの関係の悪化を心配することも言われています。
ただ、日本人は昔からこのようなことがあっても、そんなに相手を非難したり悪口を言うことがありません。このあたりは日本はたいしたもんだと思います
さて、モンゴルは私たちが学生時代は社会主義の国でした。浮かぶ印象といえばゴビ砂漠と遊牧民の国というくらいです。私が柔道をやっていたことからモンゴル相撲もありましたかね。あとは社会の時間に鎌倉時代の元寇でしょうか。
よく日本人のルーツはモンゴル人であるといわれています。詳しいことはわかりませんが生物学的な要素がほとんど一致しているそうです。確かに新しく入幕してきた力士を見てモンゴル人か日本人かわからないときがあります。「ああ、いいのが出てきたな。」と喜んだら、「またモンゴルか・・・。」と残念(笑)に思うことがあります(そんなことを言ってはいけないのですが)。そんな日本人とモンゴル人ですので横綱二人がモンゴル人で幕内優勝が栃東以来4年間いなくても、そんなに違和感は感じなかったと思います。
もし、横綱が琴欧州とバルト(すみません漢字を出しにくいので)で、ヨーロッパ人がほとんど優勝していたら、とんでもない騒ぎになっていると思います。
こんな遠そうに思えて近い国モンゴル。身内ネタになって申し訳ないのですが元NHKカメラマンの私の義弟(妹の夫)が2001年1月14日にモンゴルでの取材中のヘリコプターの墜落事故で亡くなりました。
義弟は当時2年連続の大寒波などで草などが育たず遊牧民の生活が危機にさらされていることで国連の機関が調査活動などを行っていることを取材していました。
そのとき、モンゴル力士の開拓者である旭鷲山の従姉も、ボランティア活動で旭鷲山からの援助物資を配布するため同乗していて、同じく事故で亡くなりました。
モンゴル政府は犠牲になった人たちに哀悼と活動に対する感謝の意をあらわし、最高の弔意のしるしを妹らに進呈したようです。
あの事故のニュースを知ったのは当時のNHK大河ドラマ「北条時宗」の放送が終了した後のニュースでした。まさしくモンゴルからの悲報であります。何か不思議な因縁を感じたことを覚えています。
後の葬儀や慰霊祭で義弟がモンゴルで取材し撮影したVTRが流れましたが、モンゴルの騎馬競争の様子が流れていました。これが大寒波でできなくなるのではと心配されていたのです。
何が言いたいのかというと、当時の義弟は報道カメラマンとして中国やモンゴルの人々の暮らしや風土を日本の人々に正しく伝えたいと一生懸命でした。そのためにある意味危険なところの取材もあったようです。
別に今回のことで日蒙関係がおかしくなるようなことはないでしょうけれど、外国人力士に日本の伝統文化としての相撲を理解させるのも大切ですが親方や協会なども相手の国の風習などを理解して彼らに教えていく相互の理解がなく、ただ「教えていくんだ。」だけではいつまでも大相撲は悪くなるばかりだと思います。