坂の上の雲
今日(21日)9:00過ぎから正月に向けて座敷と廊下の大掃除をしました。昼過ぎまでかかりました。一応片づいたので床の掛け軸を取り替えました。
掛け軸は金子堅太郎の書です。彼はハーバード大学の法律学科を出た後、伊藤博文の秘書になり、大日本帝国憲法の起草にあたり大きな仕事をします。
その後明治37年秋、国の命を受けてアメリカに赴きます。理由は、日露戦争の講和に当たり大学時代の親友で時の米国大統領セオドア・ルーズベルトに仲介を依頼するためです。
軸はその渡航中の所感を綴った七言絶句です。
翼賛宏猷在此秋
奮然遥向舊挻洲
五千海路風雲暗
皇国存亡一葉舟
日露開戦奉命米国太平洋上所感 渓水堅 (日露開戦にさいし命を奉じ米国に赴むく太平洋上の所感)
翼賛宏猷(よくさんこうゆう)ー政治を助ける大きなはかりごとは今この時にある
奮然ー奮い立って遙かに遠い前からの友好の国に向かっている
舊挻洲(きゅうせんのくに)ー古いよしみの国
五千海路風雲暗ー遙かに遠い海の旅のことの成り行きは決して明るくない
皇国存亡ー我が国の存立と滅亡はこの小さな舟にかかっている
《この読解は 清水正広氏(清水メガネ店主の父君)のご指導によるものです》
二人の会談後、大統領は日露講和に向けて両国の仲介に入りアメリカのポーツマスにおいて条約締結に成功します。あの戦いはあれ以上日本が戦いに臨めば勝利はあり得なかったというのは大方の認めるところです。
「坂の上の雲」の時代背景を思いつつ掛け軸を掛けました。
明日も大掃除です。
コメント
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2009/12/22 15:46あの掛け軸ですね。
明治に時代には気骨のある人がたくさんおられたみたいですね。
戦争の終結の仕方を知っておられた
ある意味、武士道が生きていたと思います。
昭和の戦争は残念ながら
武士道、大和魂を間違って解釈していたようです。
いずれにしても戦争はよくありませんが、
大義名分、筋が通っていたのは明治の時代ですね
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2009/12/22 22:26まーぼーさん、有り難うございます。
そうです、父君にご指導頂いた掛け軸です。
明治の気質は江戸時代の教育を受けた人たちです。その教育たるや、凄いものでした。
「世に棲む日々」に出てくる吉田松陰の叔父であり師でもある玉木文之進は、凄まじいスパルタでした。そこで育った魂は本物です。
結果は、維新の志士を生み出すことになたのですねえ。