グリコのおまけ
家の父のお父さんつまり私から言えば山路のおじいさんは、5男1女の長男で、一男、雄二、雄三、四郎、その5番目の兄弟に当たるのが五郎大叔父さん。
とってもわかりやすい名前ですね。
おじいさんの兄弟はみんなとてもお洒落でみんな背の高い方だったようです。
私が嫁いで来た時には山路のおじいさんは、3年前に亡くなられていたので、私がよく知るおじいさんの兄弟の中では五郎大叔父さんが一番親しくさせていただいていた方でした。
その五郎おじさんのお友だちで、宮本順三さんという方がいらっしゃいました。
もうお亡くなりになりましたが、生前は木之本へご夫婦で遊びにいらしたこともあり、私も面識がございました。
昔、いらした時、たまたま主人がシトロエンが好きで乗っておりまして、その車で古橋の方までご案内したことがありました。
「ぼくもシトロエンが大好きでねぇ、ずっと乗っているんですよ」そんなお話を聞かせていただいた記憶がございます。
その宮本順三さんの娘さんからFAXをいただきました。
『生前 父が愛飲していました桑酒を久しぶりにお友だちと味わってみたくなりましたので、集まりがあります28日までにお届けください』 といった内容でした。
この一見とても温厚そうなおじいちゃん宮本順三さんは、かの有名なグリコで広報課おまけ係としてアイディアを出されていた方で、大阪には宮本順三記念館 豆玩舎ZUNZOなるものがあるそうです。
木之本にいらした時にはシトロエンのお話ばかりされていたので、余程シトロエンのお好きなおじいちゃんなんだなぁという印象でした。グリコのおまけのお話など全然出てきませんでしたので、私がそのことを知ったのは後々のことでした。
その娘さんがお父様を偲ばれて、桑酒をお買い求めくださったことを嬉しく思い、あの温厚なおじいちゃんを思い出す出来事でした。
何か事を成す方は、全然そのことを威張ることもなくひけらかすこともない、そこがまたすばらしいなぁと思うのでした。