スーツマン

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私が2月に阪急百貨店に催事に行っている時のことでした。

 

 

くんさんから一つのメールが届きました。

 

「今日の12時9分のメール見てみ」と。

 

 

12時9分のメールてそんなんどれやわからんやん、題名は?と聞きますと

 

「酒造りやったと思う」という返事。

 

スマホを使って検索いたしますと、ある方のブログの中にうちの店の名前が出ています。

 

そこで、どうやらこの方は神奈川県にお住まいで、お父様のご実家が木之本にあるらしいことが文面からわかりました。

 

そこで「また木之本へお越しの節はどうぞお立ち寄りください」とコメントを返しました。

 

 

その後、阪急の催事も終わり、木之本へ帰ってきた私にその方からお電話がかかってまいりました。

 

 

「実は5名ほどで蔵見学をさせてもらえないか」という趣旨だったと思います。

 

 

その後私のPCにホームページのお問い合わせからその方から詳しい内容が送られてきました。

 

その方はN○○○○○自動車の方だということがわかりました。

 

そのメールには

『熱き思い実現チャレンジ』として社内公募から選出したメンバーで未知の領域を見聞きし、自分が思い描いてきた熱い思い(夢)を仲間と一緒に実現したい。

と言った内容が書かれています。

 

え~~!普通の蔵見学じゃないの~?

そんなん何喋ったらええんやろ。。。

なんだかえらいこと引き受けてしもたな~

 

って言うのが実のところ本心でした。

 

「蔵を守って来た中で、何度かは壁にぶつかってはその課題に向かって改良を加えたりしてきたと思ってます。

その課題とはどんなことでしたか?その壁に対して、どの様にして乗り越えてきましたか?などの質問をさせていただきたい。」

とも書かれていました。

 

まじっすか。

 

うちみたいに超~弱小企業で家族でやっているような所に来ていただいて何か得てもらえることがあるんやろか。

しかも相手はN自動車さん。

大きな組織の大会社の社員さんに対して。

 

 

お電話でも多分ご期待には添えないので、軽く試飲していただく蔵見学でならお引き受けしますとお伝えしまして昨日がその日でした。

 

 

午後1時がお約束の時間でした。

 

 

 

さすがにきっかり1時にいらっしゃいました。

 

 

 

 

 

 

 

おぉ~!スーツ姿の方がずらり。

 

 

 

私 実はスーツフェチ。

スーツ姿にドキッといたします。(笑)

 

 

最初はお互いになんとなくぎこちない雰囲気。

 

まずは一人ひとりの方と名刺交換をいたしました。

この方たちはN自動車のエンジンの開発をされている方だそうです。

一人ずつ自己紹介され、入社4年目で電気自動車のエンジンを開発されている方や全然違う職種を見てみたいという方など、色々な思いでここに来ていただいたことを説明されました。

 

 

そこから代表者の方から訪問の理由などを書かれた9枚にも及ぶ冊子を読み上げられます。

 

私はそれを見ながら、昨日ブログでアップしたハリナックスで止めたらええな~なんてことを思って聞いておりました。すみません。(^^ゞ

 

 

こりゃえらいことになってきたな。

 

 

実は私のいつも豊中でお世話になっている叔父も昔N自動車に勤めておりました。

今はもう84歳ですので、もとN自動車のOBの中でも年長から数えるほうが早いような存在。

 

私より、この方たちのためになる話は叔父さんにお願いした方がいいんじゃないかと真剣に思いました。

 

 

 

「酒造り」と「車造り」というもの造りという共通点と伝統を引き継ぐという視点から学び意識を変革させるきっかけとしたい。

 

 

・・・・難し・・・・

 

 

前もって、父から私がここへ嫁いでくる前にあった、いくつもの出来事なども聞いておきました。

 

S18年には伊香郡で18軒あった酒蔵が税務署などの指導で6軒に減らされた時に運良く残ったこと。

 

S25年に月桂冠に桶売りを始めたこと(当時はお米の割り当てがあり、大手で作れる酒の量も限られていたため)

この時期はやはり今よりもっと日本酒の需要が多かったのでしょう。

 

S60年、この頃は私も知っています。

5つの蔵が合併され第1酒造さんができました。

その時一緒に合併しないかというお話があったこと。

迷いましたが、うちには桑酒があるので合併はしなかったことなど。

 

また時代の流れでその桶買いを大手がされなくなり第一酒造さんも解散されました。

今となってみると父の判断は良かったのだと思います。

 

後は私が来てから起こった様々なことをお話いたしました。

 

うちも桶売りがなくなり、それと同時に阪急百貨店さんとのお付き合いがはじまり、年2回の催事に行った時に、酒造りの現場に多少なりとも関わっているおかげで、お客様にお酒の説明をする時に、その年の酒の出来具合を具体的に説明できるようになったことなどをお話させていただきました。

 

お客様の声を直に聞かせていただけることは大変勉強にもなるし、自分の携わったお酒を「おいしい」と言って飲んでいただけたときに、酒造りの苦労が報われる思いがすることなど。

 

 

 

 

 

 

 

最初の妙な緊張感もとれて笑顔がみられます。

 

 

 

 

 

 

杉玉がお気に召したよう。

 

 

 

 

 

赤いポストがお気に召したよう。

 

 

 

 

 

 

その後 仕込蔵をご案内し、ここでどのようにお酒ができるか簡単にお話させていただきました。

 

 

 

 

昨日は久しぶりにいいお天気。

外のほうが暖かい。

 

 

 

 

 

 

 

最後に試飲をしていただいて、お酒の説明をさせていただきました。

もちろん桑酒スイーツのお話もね。

 

 

 

これでこの蔵見学は終わり。

 

 

果たして、何かお役に立てたことがあったのかなかったのか。

でも少しだけお酒造りに触れていただけたのではないかと思います。

 

 

みなさん、たくさんお酒や桑酒スイーツを買ってくださいました。

ありがとうございました。

 

 

金居原にご親戚のあるTさん、また会いに行ってあげてくださいね。

Tさん曰く 木之本の街並みは40年ぶり見ても変わってなかったそうです。

 

またプライベートでいらしてください。

 

 

今度は堅苦しいお話はなしでね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プロフィール

ゆうこりん

滋賀県の木之本で酒造業をいとなんでおります山路酒造の女将です。
私も、杜氏と一緒に酒造りに励んでおります。

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