三段仕込み法
お酒の母、酒母をだいたい14日間かけて仕上げました。
酒母が出来上がったら、原料の麹、蒸米および水と酒母を加えて発酵させる状態にしたものを醪(もろみ)といいます。
この醪の仕込み方法は三段仕込み法といって、1本の醪を4日間にわたり三段階に分けて仕込んでいきます。
1日目に一段目の仕込み(初添)
2日目は仕込を休み(踊り)
3日目二段目の仕込み(仲添)
4日目に三段目の仕込み(留添)
とういふうに4段階に分けて仕込みを行います。
初添、仲添、留添と進むにしたがって、水の量も、麹の量も、蒸米の量も増えていきます。
2日目は仕込を休みますが、これは階段の踊り場と同じように休むという意味で『踊り』と呼ばれています。
何故一度に仕込まずこのように分けて仕込むかというと、少量の酒母に大量の蒸米や麹、水を加えてしまうと、酵母の数と酸が極端に薄められて、細菌の増殖に都合のよい条件をつくることになり大変危険な状態になるからです。
そのため三段仕込み法によって、段階によって仕込み量を順次増やしていくことによって、酵母と酸が薄められることがなくまたその間に酵母が増殖して酸も増え、醪中の細菌の増殖を抑えることができるのです。
二日目の踊りの様子です。
盛んに炭酸ガスが出て発酵しているのがわかります。
この日は仕込みも休んで、酵母をいっぱい増殖してもらうのです。
お酒造りは奥が深いです。
その年の米の出来によっても違いますし、気温によっても違います。
毎年、同じ酵母を使っていても醪の発酵経過は毎年同じようにはいきません。
もうすぐ初しぼりの新酒が搾れそうです。
また忙しくなります。
冬の瓶洗いの女も始まります。(笑)