酒母
麹ができあがったら、まず酒母を造ります。
無農薬米山田錦の酒母つくりです。
酒母とはその名の通り、お酒の母。
お酒を生み出す元なので酛(もと)とも言います。
まずは水麹といって、小タンクに水と酒母麹を入れてよく混ぜ合わせます。
水麹には同時に乳酸と培養酵母を添加します。
今年は9号酵母を使いました。
乳酸は細菌の増殖を防止するほか、麹から酵素が溶出するのを促進します。
また培養酵母は、野生酵母の増殖を押さえて優位に増殖させるために添加します。
朝一番に水麹を造って、よく酵素がでたころに蒸米を(酒母掛米)を加えて櫂棒を使ってかき混ぜます。
これを櫂入れといいます。
これは水麹に蒸米を入れたところ。
汲み掛け器を使う場合もありますが、このように筒状のものを入れて中から酵母がたっぷり入った液を中から杓でくみ出して蒸米にかけていきます。
仕込み後2~3日で品温が8度くらいに下がった時に、60度くらいの湯を入れた暖気(だき)を入れて酒母の中に入れて加温操作をします。
加温操作によって品温を上げていくと、麹の糖化酵素が働いて糖化が進んできます。
タンクの淵のところが少し炭酸ガスによって膨れてきます。
今日で5日目。
加温操作を繰り返し活発に酵母が繁殖をしています。
ずいぶん表面の様子が変わってきました。
酒母仕込みをはじめてから6日目。
雲のようにもこもこした泡が出てきています。
この酵母は泡あり酵母といって本仕込みの時も高泡のでる酵母です。
この泡の中にいっぱい酵母がつまっています。
最近は、泡なし酵母といって泡の出ない酵母を使えわれることが多くなってきました。
炭酸ガスで膨れ上がった状態です。
ポコポコとしたから泡が膨れ上がってきます。
これを見ていると、目には見えないけれど、微生物の息づかいを感じずにはいられません。
お酒は生き物ですね。