出麹
朝5時、まだ空にはきれいな星が出ています。
外は寒いですが麹室(むろ)は暖かいです。
昨日盛っておいた米に麹菌が入り込み朝にはいい香りがしています。
このかたまりを手で崩していきます。
崩すのに少し力がいるので、この仕事は汗だくになります。タオルが離せません。
この作業を切返しといいます。この作業は重労働なため大きな固まりは手で崩し、後は切返し機を使い一粒一粒ばらばらにしていきます。このとき品温は1~2度ほど低下します。
切返し後8時間から10時間で品温が1~2度上昇します。
この状態になると蒸米に繁殖した菌糸肉眼でも見えるようになります。
蒸米上で白く見える麹菌の菌糸のことを破精(はぜ)といいます。
破精が見えるようになると、発熱も旺盛になるので蒸米を小分けし、蒸米水分の蒸発を促します。
この後盛りという作業をします。麹箱の中に小分けして盛っていきます。
その後品温が36度くらいになった時に仲仕事と言う作業をし、1~1.5度ほど品温を下げます。
その後品温が38~39度になったころ仕舞仕事をします。
このころになると麹特有の栗の香りがしてきます。かめば甘味も出てきます。少しずつ麹も広げていき蒸米の層は4~5cmになるようにします。
こうして少しづつ温度が上がると手入れをし少し温度を下げ、また温度が上がると手入れをして温度を下げ、最高温度40~42度で麹の出来上がりです。
この後は、出麹といって、出来た麹を乾燥した室に広げて冷却します。こうして酵素力の強い麹を造っていきます。
こうして蒸米を麹室に入れてから3日がかりで麹ができあがります。
出来上がった麹です。
これは普通酒用の麹で、吟醸などの麹はまた多少造り方やもやしの量も変わってきます。
寒いときのこの麹室(むろ)での仕事は暖かく私は好きです。
この仕事を終えて外に出ると温度差があまりにもありますが、あ~涼しいと感じます。
しばらくは毎朝5時からの仕事が続きますが、頑張ります!