切返し
酒米に麹菌を振って、床もみを終え一晩経ち、朝の5時。
外は真っ暗。
いいお天気の日は空にオリオン座が輝いています。
一晩経つと こんな感じになっています。
お米は蒸米どうしがくっついて固まり、堆積した蒸米層の内部と表層部とでは温度や乾き具合が違ってきます。
そこで、蒸米の温度と水分とを均一にして、酸素を供給するためにこの固まった蒸米をくずして固まりをほぐしていきます。
これを切返しといいます。
この木の棒をブンジと呼んでいます。
これで切れ目を入れて
ザクザク 手でほぐしやすくなります。
この作業もだんだん酒米の量が増えてくるとけっこうな重労働。
汗が流れます。
きれいにほぐした蒸米を再び堆積します。
表面を綺麗にならして厚みを均一に。
その後、仲仕事、仕舞い仕事という手順で徐々に温度が上がったら広げて下げ、また上がったら下げるを繰り返していきます。
そしてもう一晩。
最高温度が42℃になったら麹の出来上がり。
次の日の朝5時に出麹。
3日目の朝に麹が出来上がります。
これを出麹といいます。
こうして広げて冷まします。
今年初めての麹の出来上がりです。
麹菌が入り込んで、色も白っぽい。
明らかに蒸米の頃とは違っています。
握るとふんわり。
離すとパラパラ。
口に含んで噛んでみるとほんのり甘い麹の出来上がりです。
「一麹、二酛、三造り」
麹の出来具合はお酒造りに大きな影響があって、お酒の品質の善し悪しも決めるのでとても大事な作業になります。
しばらくこの麹造りは続きます。
もちろん素肌に白衣でね。
注)腹巻はしていません。
これで甘酒作ったらおいしかろ~もん。