まごころ

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朝、お客様がいらっしゃいました。

 

母は、私が何かを頼んだものだと思って持ってきていただいたものを受け取ってくれました。

 

その後すぐに、店の方へ行きましたが、もうお帰りになった後。

 

残念ながらお会いすることはできませんでした。

 

 

母から手渡されたものは

 

 

 

 

 

あっ!おおのさんだ。

 

もうお帰りになったの?

 

母が、「悪かったね~、呼べばよかったね」

 

えっ?お一人で?

 

「ご夫婦でみえられたよ」

運転してこられたのかなぁ~

 

なんだろう。。。

 

なんでこんな包みを?私に?

 

 

とにかく包みを開けさせてもらいました。

 

中から出てきたのは

 

 

 

 

 

 

こちらと

 

 

 

 

 

鎌倉彫のこんな素敵な下駄が入っていました。

 

でも何で?

どうして?

 

最初はピンときませんでした。

 

 

よ~く見てみると

 

 

 

 

 

 

この鼻緒は、酒袋で出来ているではありませんか!

 

 

いつだったか、おおのさんにお持ちした酒袋(昔、お酒を搾っていた柿渋で染められた袋)です。

 

 

 

 

 

それもほんの2枚ほどなのに。

 

こんなに立派な鼻緒にしてもらって、こんな高級な下駄をいただいて。

 

 

ほんとにいただいていいのかな。 

なんだがじーん。

 

カピさんじゃないけれど、涙腺が。。。

 

 

主人にはこの下駄が似合うように、もう少しスマートになっていただいて

 

私もこの下駄が似合うようにもう少しおしとやかになるように

 

努めます。

 

 

帰られたであろう頃にお電話をしましたら、恭子さんが電話口に出られまして、お礼と直接お会いしてお礼が言えなかったお詫びを申しましたら

「朝に店を開けなければいけないので、ちょっと早く伺いました」と恭子さん。

「これ履いて転ばないようにね」とちょっぴり笑っておっしゃいました。

 

これからまた東京の方へ向かわれるとのこと。

 

そんなお忙しい中、こんなプレゼントを持ってわざわざ木之本まで。

 

かえって気を遣わせてしまったのではないかと心苦しく思いました。

 

何度か直接お会いしているのですが、足のサイズをピタリと言い当てられびっくりいたしました。

 

さすが、プロフェッショナル。

 

 

 

箪笥の肥やしになっている着物も、少し出して着てみようかな。

 

 

 

 

酒袋の鼻緒のついた下駄と、おおののおじさんと恭子さんのまごころをいただきとても温かい気持ちになりました。

 

 

 

ほんとうにありがとうございました。

 

 

 

大切に、大切に使わせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ゆうこりん

滋賀県の木之本で酒造業をいとなんでおります山路酒造の女将です。
私も、杜氏と一緒に酒造りに励んでおります。

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