白鵬と相撲の美学

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 本日起きたら非常に悲しいニュースが入ったところでした。色々あるにせよ、世界の人々の幸せを願って一生懸命活動された後藤さんのご冥福をお祈り申し上げます。


 さて、大相撲の白鵬が初場所で大鵬の記録を抜く33回目の優勝を成し遂げたのですが、優勝を決めることになった稀勢の里戦で、物言いがついて取り直しになったことで「子供が見てもわかる結果、力士は命を懸けてやっているのだから、審判は緊張感を持ってやって欲しい。」などの言葉を吐いたため、協会批判となり、横綱の品位を汚すとか何とか言われました。

 昨日白鵬が謝罪したことにより、協会もこの問題については幕引きのようです。朝青龍のように問題ばかり起していたらいけませんが、白鵬はむしろ日本人以上に相撲の心がわかっているような力士ですので、これでいいと思います。以前、白鵬は取組後朝青龍とにらみ合いをしたことがありますが、そのようなことは日本人力士ではないということを言われますが、現代の力士ならそうはいかないかなと思います。



 白鵬の言うこともわかりますが、北の湖理事長が言ったように「横綱なら取り直しとなったときに、よし、もう一丁。」と言うような度量が欲しいと言われましたが、確かにそうですね。


 これは横綱の品格と言うよりも、相撲の美学だと思います。若いころ桂三枝(現・文枝)が落語で相撲は力士があまりしゃべらないことを言っていました。相撲でプロレスのように、土俵に上がる前に「北の湖、今日こそお前を叩きのめしてやる!」とマイクパフォーマンスしたり、土俵に落ちた力士をけり落としたりするプロレスのパフォーマンスをやって笑わせていましたが、そういうことがない無言の美しさだと思います。


 日本人は負けたりしたときに潔くさっと美しく下がるのが美学のように言われますが、大相撲は以前名古屋場所を見に行ったときに油甚さんが書かれているように、単なる格闘技スポーツではなく、歌舞伎のような感じ、だから外国人にはなかなかわからない美学だと思います。しかし、歌舞伎の美しさはなかなか私はわからないのですが(笑)


 それにしても、今の力士で美学を持てそうな力士は少なくなりました。四股の綺麗な豊真将は引退しましたし、稀勢の里は今回の事でのマスゴミの下らんインタビューも美しく受け流していましたね。彼はひょっとしたら相撲の美学を受け継げるのではないかな。


 本当に貴乃花が引退して、日本人最後の優勝の栃東が引退してから美学を表現できる力士がいなくなりましたね。

 でも私は大相撲が大好きです。

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