可愛いお客様
昨日は総合的な学習の時間の見学ということで、小学3年生の子供たちがうちの店に見学にきてくれました。
前日は台風で午後から学校はお休み。
この日も中止になるかなと思いましたが、湖北地方は運良く台風の影響もそれほどひどくなく学校からも予定通り見学に行きますとの連絡をいただきました。
朝10時、子供たちがやってきました。
今年は男の子ばかり。
「よろしくお願いします」と元気な声で挨拶してくれます。
「こちらこそよろしくお願いします」
店の中に置いてある杉玉。
いつもなら店の軒にぶら下げているのですが、台風のために父が降ろしたものです。
もう一つ台風が近づいているためもうしばらくこうしておくそう。
子供たちは興味津津。
この杉玉の説明もしながら話を進めます。
下調べをしてきたのでしょう、桑酒について色々と質問をしてくれます。
その質問に答えながら、桑酒やお酒の造り方などの説明をしました。
「桑酒は、480年前からうちで造っているお酒で、もち米と麹米と桑の葉を使って造ったお酒です。
480年って江戸時代よりもっと古いんやで、室町時代の終わり頃かな」
私の話をしっかりとノートに取っていく子。
「おばちゃん、しゃべるの早すぎ!ノートに書けん」と言う子。
3年生の子供たち、どの子もすごくかわいい。
桑酒の試飲はさせてあげられないので、コップに入れて色と香りを順番にみてもらいました。
「あっ、そうや みりん粕食べてみる?」
ちょうど詰めたばかりのみりん粕があったので、順番に食べてもらいました。
「もち米100%の昔のおやつやで」
少しずつつまんでいた子供たちもくせになったのかちょこちょこつまみ食い。
「残ったの持って帰っていい?」
「いいよ~」
「みんな桑の葉って見たことある?外に植えてあるから見に行こうか」
香りを嗅いでみる子、お友達にも持って帰ってあげる子
その中でこの桑の葉を持った子が「長い間続けてくるのに苦労したことは何ですか?」
おっと、するどい質問をするな~
「やっぱり一人では造れないので、みんなで協力して造り方も次の人に伝えていくことが大事なんだと思います」
と答えておきました。
咄嗟になかなかいい答えが見つからない。
この坊や体格も一番大きい。
どうやら柔道をしているそう。
他の子の質問に答えてる時に
「なあ、なあ、おばちゃん、あれ何?」と関係ないことを聞いてくる。(笑)
「ちょっと待ってな、この質問に答えてからな。」
色んなタイプの子がいて楽しい。
こういう子が案外大人になってからやり手になるのかも。
「どんな場所で造っているんですか?」
それじゃ造っている場所を見てみますか?と案内。
仕込蔵をみて、「あっ、家の中に神社がある!」って言った子がいました。
そうやね~、しめ縄してあるからそう見えるね。
お賽銭 置いてってくれてもええで。(笑)
あっという間に1時間が経ち、見学と質問タイムが終わり、無事に今年も小学3年生の蔵見学が終わりました。
「ぼく日曜日にお父さんと買いに来るわ」
なんて可愛いことを言ってくれる子もいました。
子供たちが学校に戻ってから、午後からは母が外出していたので店番をしておりますとかわいい子供の声がします。
学校が終わってから、家で着替えをすませて今日来てくれた子供たちの中の3人が遊びに来てくれました。
あの体格のいい坊やもいます。
「おばちゃん、今日くれたみりん粕、学校に帰ってみんなに食べさせたったで」
「そう、みんななんて言ってた?」
「う~ん、そんなにおいしくないって」
子供は正直。
「そうか~、そんなに甘くないからな~。
噛んでると癖になるんやけどな。みんな摘んでたやん。笑」
「僕らはおいしかったで」
「そうか、また遊びにおいで」
「ばい、ば~い」
そう言って帰って行きました。
すぐにまた来てくれてなんだか とってもうれしかったです。
この子たちが大きくなった時、木之本に桑酒っていう珍しいお酒があることや 昔、ここで桑の葉もらったこと、みりん粕をみんなで食べたことを覚えていてくれたらいいな~。
その頃は、私はもうおばあちゃんやろな。(笑)