フォークソング

テーマ:よしなし事
 またまた古い話で申し訳ないのですが、まあ許してください。
フォークソングのことです。
 私が学生の頃は、拓郎とか陽水とかかぐや姫といった、いわゆる「70年代フォーク」は、まだ登場していません。
 
 その前に、関西フォークというブームがあったのです。
フォーク・クルセダーズ、岡林信康、五つの赤い風船など、関西に拠点を置くアーティストが、学生の間でも人気でした。
 その多くが、戦争とか差別など、社会の理不尽なことに反対するという、いわゆる反戦歌、プロテストソングを歌っていました。

 ちょうど、ベトナム戦争が激しくなり、また70年安保、学園紛争・・・そういったものと相まって、フォークがブームみたいなことになっていたのです。
 我々は、そういった歌に込められている意味など、何も考えずギターを弾いて歌っていました。

 ある日、一杯飲み屋かどこかで、そういう歌を歌っていたら、となりにいた年配者が「けっ!誰のおかげでそんな歌を、歌えると思っているんだ」みたいなことを言われました。
 当時は、まだ戦争経験者が現役で働いている頃で、実際に戦場にいったかたには、なんと甘っちょろい、とらえられたのかもしれません。

 なぜ戦争が起きて、なぜ原子爆弾が使用され、なぜ日本が負け、そしてどうやって立ち直ってきたか・・・そういったことを勉強もせず、単純に「流行り」で、そういう歌を歌っている自分が、ものすごく恥ずかしくなったのです。

 以来、フォークを歌うことはなくなってしまいました。
ただ、英語の歌は意味がわからないこともあって、「反戦歌」と呼ばれる歌も歌っていました。
 このあたりがやはりダメ学生なんでしょうね。(^_^;)

 そんなこんなしているうちに、吉田拓郎が登場、70年代フォークが幕を開けるのですが、日本のフォークには、もう興味はわきませんでした。
 ちょうど大学卒業の頃、シングル盤が数枚出ていた若い女性シンガー・ソングライターがいました。

 ほとんど売れず、まったくの無名でしたが、フォークとは、全然ちがうコード進行(和音)、歌詞に、新しい時代が来たことを感じました。
 それが、まだ美大の学生だったユーミンでした。

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