反戦歌

テーマ:よしなし事
 むかしギターを始めたころ、いわゆる「反戦歌」という「フォーク」がちょっとしたブームでした。
 まだ60年代です。
ギターを弾きながら歌うという、単なる「流行」とか「カッコよさ」にあこがれて、恥ずかしながら何も考えずに歌ったことがあります。
 でも、ある日どこだったか「路上」でそれをやっていたとき、年配のおじさん(当時ですから、今では90前後?)から、言われてしまいました。

 「よくそんな歌をうたえるなあ、我々から見たらままごとみたいなものだ」

 詳しくは忘れましたが、確かそんなようなことです。
ショックでした。
 当時は、まだ戦争経験者のかたが社会の中枢で働いていらっしゃった時代です。
そういう人から見たら、何も知らない若造が「反戦歌」と呼ばれる「ポップソング」を何も考えず歌っていたのが許せなかったのかもしれません。

 たしかに、戦争経験者、あるいは軍隊に行った人から聞く話は、若造が軽々しく「戦争はんた~い」などといえるようなものではなく、あまりに重く、あまりに恐ろしく、あまりに悲しいことがいっぱいでした。
 なかにはそういった戦争の話は絶対にしない、という方もいらっしゃいました。
その裏には、誰にも話したくないほどの辛い思いや、嫌だったことがあるのでしょう。

 その頃から、いわゆる「日本のフォーク」を聴いたり歌ったりすることに、興味を失ってしまったのです。



 いまは・・・やはりまだ歌えません。
あの時のショックが大きすぎて・・・。

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