桜餅
桜餅
滋賀県も一応関西のはしくれ。ということで、当店の桜餅は道明寺の桜餅です。そのつぶつぶ感がたまらないと、春の和菓子では一番人気です。
以前このブログにも書きましたが、全国的にも桜餅は、和菓子の中で人気ランキング第二位だと、新聞のアンケートに載っていました。ちなみに一位は大福でした。大福が味わいのある名優だとすると、桜餅はさしずめ和菓子界のアイドルと言ったところでしょうか。明るい色も春らしくて、気分も晴れやかにしてくれそうです。
さてその桜餅、始まりは古く、江戸時代にはもう庶民の間に広まっていたようです。文政7年には、桜の葉を一年間に77万5千枚も使用したと記録が残るほど桜餅がよく売れたらしいのですね。今も昔も和菓子に春を求め、いや、美味しいものを求めるのに変わりはなかったということですか。
今日の日差しは、ほんとうに春を思わせるような暖かなものでしたね。春本番はまだ少し遠いかもしれませんが、テーブルの上に小さな春を、いかがでしょうか?
時事放談
皆様、日曜朝5時30分からTBSで放送の「時事放談」という番組をご存知ですか? 随分と長寿番組なんだそうですが、私は恥ずかしながらつい先日初めて知りました。
御厨(みくりや)貴さんという政治史学者の方の司会で、毎回2名のゲスト(政治家)を招いて、政治について討論するという番組だそうです。
この番組の冒頭に、ゲストの方の出身地ゆかりの品をお茶うけとして紹介する場面があるらしいのですが、今回武村元滋賀県知事が出演なさるにあたって、当店の「浜ちりめん」を出してくださるとのことなのです。
急なお話で驚いているところなのですが、あさって22日(日)午前5時30分からの放送に使っていただけるそうです。
日曜日、早朝にこれを見られている方、いらっしゃったら教えて下さい。TBSの方には誠に申し訳ないのですが、一度も見たことがありません。でもこれを機会にこれから見たいと思います。もちろん録画で(笑)
それにしましても、ありがたいお話です。武村元知事さまは、あのムーミンパパのような温かな風貌とともに、時折新聞等で拝読する政治に対する熱い思いに、親しみと尊敬の念をおぼえます。さきがけ時代の官房長官のお姿もりりしかったですよね。
日曜日はリアルタイムで見ようと思います。テレビの前で正座して!
長浜のお雛様めぐりと「花桃」
長浜のお雛様めぐりも、早いものでもう第7回目となりました。
お雛様めぐりとは、長浜の商店街の中の各家、店舗がそれぞれ所有するお雛様を飾って一般に公開しているもの。
こんなピンク色のマップを配布して皆さんに巡っていただこというものです。
当店でも初回から参加させてもらっています。
他店のように、「古くから代々伝わる…」とか、「手作りの…」とかではなく、いたって普通の、どこの家庭にもある、昭和のこじんまりとしたお雛様です。
真ん中に花見だんごを添えて。
この企画のおかげで、長い間箱の中で眠っていたお雛様を、年に一度外に出してあげることが出来ました。きっとお雛様もお内裏様も喜んで下さっていることでしょう。
小さなささやかなお雛様ですが、お雛様マップを開いて巡って下さっているお客様に「優しいお顔のお雛様ね。」と声をかけて頂き、嬉しいかぎりです。
お雛様人形には、娘を思う親たちの気持ちが込められているからでしょうかね。
そして、桃の節句にちなんだ上生菓子。
「花桃」
桃の花は、梅や桜ほどポピュラーではありませんが、咲ほころぶとそれらに負けないくらいとても可愛らしい花です。
そしてそして、夏から秋冬と当店の茶団子をご愛顧いただいておりましたが、立春よりこちらは花見団子に衣替えです。3月3日には桜餅とともにお雛様のお供え菓子にいかがでしょうか。
お菓子の方はめっきり春らしくなりましたが、実際の気候はというとまだまだ真冬。明日の朝も雪景色でしょうか? 春はもう少しおあずけですね。
上生菓子「玉椿」
上生菓子「玉椿」
木へんに春と書いて椿。寒い冬のさなかに咲くのに、春を待つ気持ちをぎゅっと込めた、いい名前ですね。
近くの神社にこの花が咲くと、赤々とした花が寒々しい湖北の景色の中で浮き立ち、そこだけパッと華やいで見えます。
椿の木は古来、厄除けに使われたということです。また、源氏物語には、宮中で行われた蹴鞠(けまり)の催しの場面で、椿餅がふるまわれていたとあるそうです。
昔から和菓子は、厄除けと深いかかわりを持っています。そもそも小豆が厄を払うと、平安時代から親しまれてきた素材です。季節季節の神事に小豆を用いたお菓子がふるまわれ、それが様々な植物と掛け合いながら、今のような彩り鮮やかな菓子に進化していったのでしょうか。
神社の椿ははっとするほど美しいです。
最中
当店の「和楽最中」
最近、なぜか最中の注文を多く頂きます。ありがたいことです。
そこでふと、『もなかって、なんで「最中」と書くんだろう?』と思いました。で、手元の本を開いてみますと、こう書いてありました。
江戸時代、『最中の月』というお菓子がありまして、その名前が縮まってできたもの。『最中の月』とは『中秋の名月』を意味する言葉だそうです。
『最中』には、「物事の中心」とか「盛りの時期」などの意味があり、最中の月で、盛りの月、つまり中秋の名月を指したようです。
この『最中の月』なるお菓子は、江戸吉原にあった店が売り出した丸いせんべいだったと言います。月に見立てて売り出されたのでしょうね。そしてそのせんべいの間にあんこを挟んだ『最中饅頭』なるものが発売され、やがて『饅頭』だけがとれて『最中』になったというのです。江戸の商人もいろいろと考えはったなあと、感心いたします。
さて、この最中の皮は業界では『種』と言いまして、実は和菓子屋では作りません。専門の業者があり、多種多様な皮=『種』をこしらえておられます。当店使用の種は、『和』と『楽』の文字が刻まれています。
そして中には、十勝産の小豆を炊き上げた、つややかな粒あんがはいっています。
おやつにおひとついかがですか?
一個120円です。
注文を受けてからあんこを詰めますので、お電話にて前もってご注文いただければお待たせいたしません。