食事の時の脳内ホルモン
昨日のブログで、脳内ホルモンのことについて少し書きましたが、今日はその続きを。
これは、高校野球マンガの中で、顧問の先生がメンタルトレーニングをする場面で出てくる話です。先生のセリフから、抜粋します。
『スポーツをするのに重要な脳内ホルモンは三つある。
1.自分の将来に集中するためのホルモン。きっと勝てる。オレはやれる、っていう自分への期待に膨らむ時に出る、チロトロピン。
2.現在に集中している時のホルモン。練習でも試合でも、目の前のことに集中している時活躍しているのが、コルチコトロピン。
3.過去に集中している時のホルモン。今日もよくがんばったっていう充実感。勝ち試合のあとの満足感。それらをかみしめている時に出るのが、ドーパミン。
これらの三つのホルモンが簡単に出る場面がある。それが食事だ。食事の前、おいしそう!と思い期待する。食事中うまい!と思って食事に集中する。そして、食べ終わって、あーうまかった!と満足感を味わう。これで、三つのホルモン全部が活躍するんだ。
筋肉と同じく、脳神経も鍛えられる。毎日三度のメシの時、こいつらを意識的に働かせることによって、脳は三つのホルモンが普段から活発に働く脳になるんだ』
と、こうあります。
つまり、食事の前にはお腹をからっぽにし、食事への期待をふくらますことが大事と。
しかし…。
三時のおやつはかかせない…。
晩御飯作りながら、幾度となくお味見…。
等々、空腹感を阻止すること度々。さすがに朝食前は、ハラペコですが。
上記の三つのホルモンによる脳神経の活性化は、なにも野球などのスポーツだけにあてはまるのではないと思います。仕事に勉強に、趣味にも活かされるのではないでしょうか。是非、おおいにお腹をすかせ、おおいに味わって、おおいに満足感を得て、明日に備えましょう。
幸せなのは、満腹時か空腹時か?
この間、がらたてを買いに来て下さった兵庫県の男性の方が、こんなことをおっしゃっていました。
「昔は五月の連休前になると、この葉っぱを山の中へ取りに行かされたもんや。しかし、よーマムシが出よってなあ。あれが怖かったんや。けど、この葉っぱを摘んで帰ったら餅が食えるし、がんばって取ってきよったんよ。」と。
つまり、このがらたての葉を持ち帰ると、餅菓子(これを、柏餅と呼んだそう)を作ってもらえたのだそうです。
毒持ヘビへの恐怖よりも、お母さん(あるいはおばあちゃん)に作ってもらうお菓子の美味しさの方が、はるかに勝っていたのだなあと、関心してしまいました。
そこで思い出したのが、阿川佐和子さんのあるエッセー。その冒頭部分にこんな一文がありました。
『おなかがすいている時と満腹の時と、はたしてどちらが幸せだろうか。』
阿川さんは、この問題について、友人と話し合ったそうです。ご友人曰く『そりゃあ、いっぱいのときに決まってるわよ。』
けれど、阿川さんはこう言われます。『もちろん、空腹にもかかわらず、目の前に食べるものが何もなかったら不幸だ。けれど、おなかが十分空っぽな状態で食卓に付き、さあ、これからおいしいものを食べるぞと、期待に胃袋を膨らませる瞬間の喜びは、満腹でもう入らない! という時より幸せだわ。』と。
なるほど、そういえば、『大きく振りかぶって』という野球マンガ(子供のです)のメンタルトレーニングの場面に、同じようなことが書いてありました。そういう状態の時(目の前の料理を、おいしそうと思い、自分はこれを美味しく食べられるんだと期待する時)、脳内では、チロトロピンというホルモンが活発に働くようになるそうです。これから美味しいものが食べられるという幸せ感が、脳内を活性化させてくれるのでしょう。
そこで先の紳士のお言葉。マムシの恐怖にも負けず葉っぱを取って、お家に帰ってお母さんに褒められ、そして美味しいおやつを目の前にした時の、少年の顔が目に浮かぶようでした。さぞかしお腹がペコペコで、幸せいっぱいの顔だったことでしょうね。
兵庫のお客様、おいしいお話をありがとうございました。
偲ぶ
この間、よく来ていただくお客様が、こんなことをおっしゃっていました。
「このお菓子を見ると、実家の父を思い出すんよ。亡くなった父がこの『十八万石』が大好きでね。ほんまにこのお菓子見るたびに思い出すんやわ。」と、入院先の病室で、幾つかの『十八万石』を、ペロリとたいらげられたエピソードを語って下さいました。
うちのお菓子を、お父様が好いていて下さったという事もさることながら、うちのお菓子を見る事で、亡き人を思い出してもらえるという事にも、なんともいえない嬉しさがこみあげてくるのでした。
いつだったか、あるお寺のご住職様が、たしか法事の際に、こんな事をおっしゃっておられました。
「亡くなられた人を法要することも、お墓にお詣りすることも、お仏壇に毎日手を合わせることも、どれもとても尊いこと。けれど、亡くなられた方の事を、ほんのひと時でも思い出し偲ぶこと、これこそが、一番の供養になるんですよ。」と。
この言葉を、先のお客様の言われたことで思い出しました。
食べる物であったり、着るものであったり、使っていた物であったり…。そんな亡き人の好きだった品が、亡き人のいた空間にふっと私たちをいざなってくれる時がありますよね。そんな風に、思い出し偲ぶことが、故人の供養になるのだとすると、そのお手伝い(?)が出来た我が菓子も、少しはいいことが出来たのかなと、本当にうれしく思うところであります。
『偲ぶ』という字は、人を思うと書くのですね。貴方の思われるお人は、何がお好きでしたか?
粒あん派とこしあん派
お客様に、日頃とても良く聞かれることがあります。
「このお菓子の中は、粒あん? こしあん?」
そこで、例えば「粒あんです。」と答えると、「ああよかった。 私、粒あんが好きなんよ。」とか、「私はこしあんがダメでねえ。」とかいう返事が返ってきます。
あるいは、「粒あんかー。こしあんのは無いの?」と言われたり。
もちろん逆の場合もあります。
私は、粒あん、こしあん問わずどちらも好きなので、『どちらかしか食べられない』あるいは、『どちらかが大好き』、又『どちらかが嫌い』という方の多いことに、始め驚いていました。
そういえば、随分前に朝日新聞の日曜版に載っていたのですが、『あなたは粒あん派? こしあん派?』というアンケートがありました。確か結果は、粒あん派が約65%の割で、こしあん派を凌いでいました。
当店のお客様の好みも、だいたい似たような割合でしょうか。若干粒あん派の方が優勢のようです。
では、粒あんものといえば…
最中・きんつば・大福・おはぎ・田舎饅頭・上生菓子のきんとん
対して、こしあんものは…
桜餅・柏餅・葛饅頭・薯蕷饅頭
店によって様々ですが、当店で扱う和菓子を分類してみると、今ざっと思い浮かぶのはこんなところです。
みなさんは、粒あん派ですか? それともこしあん派ですか?
お餅(はまぐり)
お餅(はまぐり)
肌寒くなると、お餅が食べたくなります。
そこで、お餅の注文が入ると、余分に搗いてもらい、食べます。
ぜんざいにしたり…
あと、きなこ餅にしたり、砂糖醤油で食べたり…。
お正月の後、たくさんの冷凍餅が出来、それがなかなかはけないため、ある日餅ピザにしてみました。これが結構家族に気に入ってもらえました。
これは、去年の冬「ゴーイングマイホーム」というドラマがありまして、その中で出てきた料理です。
ドラマのホームページでレシピを見て作りました。
ところで、お雑煮に入れるこの丸餅(小餅)のことを、当店では(たぶんこの地域では)、「はまぐり」というのですが、なぜそう言うのか? 店主と不思議がっていました。どなたか知りませんか? 餅屋が知らないなんて、けしからん!でしょうか…。
ネットで検索しても、出てきません。
ちなみに、県外からお越しの皆さん、故郷では丸餅のことはどう呼びますか? 普通に丸餅でしょうか。教えていただけると嬉しいです。
「はまぐり」が一般的だとついこの間まで思っていたのですが、そうではないのかもと、今頃思えてきました。ひょっとして長浜だけですか!?