ぞうきん縫い
仕事柄タオルをよく使います。しょっちゅう手を洗うので一日に何度もタオルを変えます。それで、真っ白なタオルもすぐに色がくすんできて、これはもう使えないなとなったらまとめておいて、ぞうきんにします。
ぞうきんを縫う時に、いつも小学校の頃を思い出します。学校へは今も同じだと思いますが、学期初めに雑巾を持参しました。母の縫ってくれたぞうきんです。それが、友達のぞうきんとどうも様子がちがうのです。何が違うかというと、縫い目がちがうのです。友達のはばってんの縫い目です。でも、私のものは渦巻き状のもの(ただし曲線ではなく長四角の)。わかりますでしょうか?迷路みたいな…。(ここに絵をかきたいのですが、できません。言葉で表すのはむずかしいです。)
このささいな違いがなぜだか今も印象に残っていて、今自分も母と同じようにグルグルとぞうきんを縫っているのが、あたりまえのようで、不思議な気持ちです。
私の子供たちはさて、このグルグルぞうきんを縫うかしら、いや100均のぞうきんになるかしらと、しょうもない想像をしております。
ぞうきんをたくさんこしらえました。年末の大掃除は憂鬱です。雑巾縫ったことでもう満足してしまっている11月の終わり。
さあ、明日から12月。寒いけれどもきらびやかな月です。一年のしめくくり、はりきっていきましょう!
上生菓子「露霜」
上生菓子「露霜」
色付けした煉りきり餡の上に氷餅の粉をぱらぱらとかけ、霜を表しています。赤や黄色に色づいた木々の上、あるいは落ち葉の上に、うっすらと霜がおりている、そんなところでしょうか。
「露霜」とはあまり耳慣なれない言葉ですが、寒くなりはじめの頃に降る露が寒さで凍って半ば霜となり、うっすらと白くなっている様子をいいます。「水霜」ともいうようです。
冬の寒さが厳しくなってくると、霜に関する言葉もまた変わってきます。
『大霜』『深霜』『強霜』『霜晴』『霜の花』等々、聞くだけで寒くなりそうな語感です。
『霜の声』などという表現もあります。霜柱を踏む時のシャリシャリっという音を思い出します。
これから寒くなる一方。霜だけでなく、氷、雪、風なども和菓子の題材になります。
なんだかもうすでに、あったかい春が待ち遠しくなってきました。
同級生の芸術~ギャラリー縄にて
毎年の今頃、博物館通りのギャラリー縄さんで、高校の同級生二人が個展を開いています。今年で17回目だといいます。
このお二人とは同じクラスになったことがなく、お互い「顔と呼び名を知っている」程度の仲でした。ところが一昨年、別の同級生に誘われこの個展に足を踏み入れてみて、『同級生』の『芸術』に妙に刺激をうけ、毎年行くようになりました。
今年は許可を得て写真を撮らせてもらいました。
以上は、通称「せとこさん」の作品です。
真ん中の写真のタイトルが「メモ」といい、その横にこの文章があったので、この作品のコンセプトを聞いてみたところ、『3.11の後、いろんな雑誌や新聞の切り抜きをとったりメモしたりしていて、そんなのを見ながらなんだか日々もやもや感を抱え、そういったモヤモヤというか実態のないものを作品にしてみた。』そうです。
ちなみに上の作品は「カレンダー」というタイトル。一日一日、大きさも充実度も様々…素敵な日も、ついてない日もあるよね。と、そんな風に思わせてくれる作品でした。
でも、芸術に「意味」をみつけようとするのは、とてもヤボなことなのでしょうね。
そしてもうお一方。「つの」こと角川さんの作品。この方はデザイン関係のお仕事をされています。
これは、そう。あの携帯などで読み取るバーコードリーダー。
これを携帯やスマホなどで読み取ると、『森』にまつわる物語があらわれる、というしかけになっています。
この物語、読ませてもらったら…。もう、とても上質な文学です。芸術の才能だけでなく、文才まであるのね、と、ちょっとうらやましく思ったりするのですが、じっくり読んでみると、この人はやはり芸術家だ!と納得させられました。なぜなら、文章の中にくっきりと絵が表れるてくるのです(自分の頭の中にです。まったく手前勝手な絵ですが)。
こういう芸術もあるんだなあと感心させられました。
この個展、今年はもうお一人が加わって三人展となっています。
今日から27日までです。興味のある方は是非足を運んであげてください。
「ゆず饅頭」始めました
八百屋さんやスーパーの店頭に、黄色くてかわいらしい柚子が並ぶようになりました。
当店でも、始めました。
「ゆず饅頭」
柚子の香りをかぐととても幸せな気持ちになります。とは去年のブログにも書きましたが、香りというのは自覚せずして人の記憶にすり込まれるものらしいです。そういった意味で、私は遠い昔にこの柚子の香りにどこかで出会っていて、いい思い出があったのかもしれないなあ、などと思っています。そして、うーんと年をとって、もしかしてボケちゃったりしても、この柚子の香りをかぐと、一所懸命お饅頭を蒸していた頃のことを思いだしたりするのかな?
さて、この柚子のお饅頭、おかげさまで毎年好評を得ております。お待ちいただいているお客様には今年は出るのが少し遅くなってしまい、申し訳けありませんでした。
柚子の皮をすりおろして、北海道十勝産の白いんげんを炊きあげた白餡に煉りこんでいます。香りだけではなく、味もしっかり柚子の味。ころんと見た目にも可愛らしいお饅頭です。おひとついかがですか?
冬限定「田舎まんじゅう」
「田舎まんじゅう」始めました
冬限定の「田舎まんじゅう」です。中には北海道産の小豆をじっくりと煮込んだ粒あんが入っています。地方によっては薄皮まんじゅうとも言うようです。他にも所によっていろいろな呼び名があると思いますが。
白いまわりの皮が雪を思わせ、冬にぴったりのお菓子です。
急に寒くなって、めっきり冬らしくなってきました。あわてて冬じたくのお宅も多いのではないでしょうか。
我が家でも、コタツ、ストーブ、毛布と、いろいろ引っ張り出してきました。
寒いのはいやですね。でも、寒い時に、例えばあったかいお茶、あったかいコタツ、あったかい湯気…。癒されますよね。また視覚的にも、コタツにミカンがのっているだけで、『ああ、日本の冬』ってな感じで妙に満足感が得られたりして。
『コタツにミカン』のとなりに、「田舎まんじゅう」も加えてやって下さい。あったかい日本茶と共にどうぞ。