ヴォーリズ邸宅を訪ねて

テーマ:コラム
京都・白川疎水の桜です。残念ながら先日からの暴風雨で散ってしまったようです。



ここにW.M.ヴォーリズ建築の個人邸宅があります。
駒井家住宅(駒井卓・駒井静江記念館)です。



通常は、毎週金・土曜日の10:00~16:00のみ開館しているのですが、3月29日(金)~4月9日(月)までの間、春の特別公開をしています。桜散策を兼ねてと思いましたが葉桜になっていました。


駒井家住宅は、動物遺伝子学の権威 京大名誉教授 駒井卓博士(1886-1972)とその妻 静江夫人の私邸として1927(昭和2)年、ヴォーリズ建築事務所が設計しました。
駒井博士は、渡航経験もあり昭和天皇に生物学を教授された人物。
米国コロンビア大学ではショウジョウバエの研究を行いました。

一方、静江夫人は、ヴォーリズ夫人と大学の学友だったそうです。
積極的にクリスチャン活動をされた活発な方で女性の地位向上にも尽力しました。


建物に話題をもどしましょうビックリマーク
1998(平成10)年、昭和建築の洋館として初めて京都市の有形文化財に指定され現在は公益財団法人 日本ナショナルトラストが管理しています。

外観は当時アメリカで流行していたアメリカンスパニッシュ様式を基調とし、屋根は切妻屋根の赤色桟瓦葺、外壁はモルタルスタッコ仕上げになっています。




邸宅内へ入るとボランティアガイドさんが一組ごとに丁寧に建物の説明をされていました。





内部は1階が玄関ホール、居間、食堂、和室、2階に寝室、書斎等を配し和洋折衷の間取りとなっています。
主棟の建坪は30坪。決して広くはありませんが装飾性と実用性に富んだ建物です。



それではお宅拝見!
こちらが玄関。




おじゃましま~す。





玄関ホール、食堂です。 
友人や学生達を招くため広い空間となっています。





サンルーム。写真ではわかりづらいですが、アーチ型の窓です。





外から見るとこんな感じ。ドアノブはパープル色のクリスタル。


駒井邸は、洋館ですが6畳の和室も備えています。
床の間を設え、堀ごたつもあります。





障子を併用した出窓。
和室の戸を締め切ると洋風内部と違和感がありません。



和と洋の空間を巧みに融合させています。



それでは2階へ
ゆるやかなカーブの階段。ヴォーリズ建築の特徴でもあります。



当時、寝室として使われていた部屋は駒井夫妻を紹介するスペースになっています。



駒井博士の研究資料やタイプライター、著作、コレクションの数々がキャビネットに並べられていました。
部屋からは比叡山が望めます。





2階のサンルーム。



愛用のロッキングチェアが展示されていました。
ここからは大文字が見えました。
駒井家は滋賀・京都が眺望でき贅沢な空間です。




私もこのチェアに座らせていただきました。 
洋館の主になった気分です目



パレット

駒井家住宅は、毎週金曜日・土曜日の10時~16時(入館は15時まで)公開されています。
入館料は(維持修復協力金として)大人500円、中高生200円、小学生以下は保護者同伴に限り無料。

日々、ボランティアの方が清掃、展示解説をして支援されています。


ゴッホ展

テーマ:絵画・写真
本日より京都市立美術館で開幕した「ゴッホ展」の紹介ですパレット


ゴッホといわれると「ひまわり」や「自画像」など連想しますね。

自らの感情のおもむくままキャンバスや絵筆を介し表現した画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)。誰もが一度は見たことのある作家だと思います。


本日よりスタートした「ゴッホ展-空白のパリ時代-」は、37年の短い生涯の中で、32~33歳のいわゆる「パリ時代(1886-1888)」と呼ばれた頃のゴッホにスポットをあてた展覧会です。

画家として志したもののなかなか思うように事が運ばず悩み・苦悩した「パリ時代」。
唯一といっていい理解者が実の弟のテオでした。
この「パリ時代」にゴッホとテオは共同生活をしています。

テオの経済的・献身的支援のもとアトリエに通い絵画技術を学びシニャックやロートレックといった芸術家と交流をもち多くを吸収した時代でもありました。
日本の浮世絵の影響を受け、ゴッホの特徴でもある独自の色彩表現を確立したのもこのパリ時代でした。
そしてゴッホは、わずかこの2年半に27点の自画像を制作しています。

今回の展覧会では、8点の自画像が展示されています。



今展覧会のチラシにもなっているゴッホ作 「自画像」の作品の数々。
中段右端の自画像は、近年の研究で弟・テオの肖像画だと判明したそうです。



現在のゴッホ研究は、テオに宛てた書簡をもとに検証されています。
私もこの展覧会にあわせてテオの伝記本「テオ・もうひとりのゴッホ」を読んでいます。





ゴッホからテオに送られた手紙は大切に保管されていたようでそんなところでも兄を思う弟・テオの姿が垣間見られます。


この他、今展覧会では謎解きのようなスリリングな展示もされているそうで気になります。
「ゴッホ展-空白のパリ時代-」は、4/2(火)-5/19(日)まで京都市立美術館にて開催中です。



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fumi

7年程、キュレーターをしていました。
現在は、未熟ですが作家のサポートをしています。
交流のある作家の紹介や展覧会の情報など書き綴っていきたいと思います。

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