生と死の分岐点
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2014/10/20 15:36
救助隊はこの2日間、ガスマスクを着用せずに入山、活動にあたっており、「装備を考えれば、やむを得ないと思います」そう指摘するのは、兵士に聞け」などの著書がある作家の杉山隆男氏である。「今回は噴石対策で、鉄製へルメットや防弾チョッキを身につけており、これが数キロほどの重さになります」火山ガスの成分は分子が小さく、通常の防護マスクを被ってもフィルターを通過してしまうおそれがあるといい、その場合は、「あわせて酸素ボンべも必要となり、妬キロ近い負荷がかかる。3000メートルの高地を歩き回るのは、非常に難しくなります」そのボンべとて30分程度しかもたず、やむなく使用を見送ったとい、つのだ。
さらに、「30日からはようやく硫化水素専用のマスクが隊員に配布されました。ところが今度は、火山性微動が大きくなったことで、当日の捜索は朝7時過ぎに中断、午後には打ち切りとなるなど、足踏みが続いています」山は、やはり一筋縄ではいかないのだ。「神」は山に恵みをもたらし、そして時に牙を剰く。その時、御撫山の「神」は、灰色の「死神」と化したー。複数の鳥居があり、古来、信仰の山として知られてきた御嶽山では、白装束姿での登山者を見掛けることもある。そんな「神の山」で多数の心肺停止者が出たわけだが、彼らが火口東側に集中したのは、一体どうしてだったのか。
9月27日の噴火による、死亡者を含む心肺停止者は30人を超えている。その多くは、剣ケ峰と呼ばれる頂上付近で見つかった。地元の山岳関係者が解説する。「御嶽山を知っている人にとっては、北側に逃げるのが「常識」。大抵、風は北から南に吹いているため、噴火が起きても、噴煙は南に流れていくんです。2007年の噴火の時もそうでしたからね」しかし、今回、噴火したと見られている3つの火口から、剣ケ峰は東および北東、数百Hに位置している。御以山での「常識」は、なぜか通じなかったのである。噴火時、剣ケ峰から北に750メートルほどのところにいた、信州大学山岳科学研究所助教の朝日克彦氏が振り返る。
さらに、「30日からはようやく硫化水素専用のマスクが隊員に配布されました。ところが今度は、火山性微動が大きくなったことで、当日の捜索は朝7時過ぎに中断、午後には打ち切りとなるなど、足踏みが続いています」山は、やはり一筋縄ではいかないのだ。「神」は山に恵みをもたらし、そして時に牙を剰く。その時、御撫山の「神」は、灰色の「死神」と化したー。複数の鳥居があり、古来、信仰の山として知られてきた御嶽山では、白装束姿での登山者を見掛けることもある。そんな「神の山」で多数の心肺停止者が出たわけだが、彼らが火口東側に集中したのは、一体どうしてだったのか。
9月27日の噴火による、死亡者を含む心肺停止者は30人を超えている。その多くは、剣ケ峰と呼ばれる頂上付近で見つかった。地元の山岳関係者が解説する。「御嶽山を知っている人にとっては、北側に逃げるのが「常識」。大抵、風は北から南に吹いているため、噴火が起きても、噴煙は南に流れていくんです。2007年の噴火の時もそうでしたからね」しかし、今回、噴火したと見られている3つの火口から、剣ケ峰は東および北東、数百Hに位置している。御以山での「常識」は、なぜか通じなかったのである。噴火時、剣ケ峰から北に750メートルほどのところにいた、信州大学山岳科学研究所助教の朝日克彦氏が振り返る。
青いボール
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2014/10/10 16:46
新緑の光したたるゴールデンウィーク、瞬く間に過ぎて、息子一家が帰ると、祭りのあとの、静寂、一瞬にして、部屋いっぱいに広がり、体の奥深く流れこむ、青いボール見いーつけた、白いつつじの奥に、いつまでかくれてるの、出ておいで、みっちゃん もう帰ったよ、置き去りにされたなんて、そんなにすねないでいじけないで、思いっきり弾みをつけて、カいっばい跳んでごらん、神戸から東刈谷まで一っ飛び、うまく着地したら、みっちゃんのうでの中だよ、それとも、夏休みまで、一緒に待ってる?今月は、とりあげたい詩が二篇ありました。ともに孫を題材とした作品です。
ある詩人が「孫の詩を書くようになったらおしまいだ」と言っていましたが、たしかに、孫が可愛いという気持ちはありふれたものです。それをどう表現するのか、工夫と技術の勝負でしよか。入選作、近藤香織「青いポール」は、詩の中で、“まご”ということばを使っていません。まずその点に注目しました。説明を最小限におさえた簡潔な害き方で、擬人法を巧みにとりいれています。子どもが去ったあと、部屋の隅や庭先にポールが転かっていか素以は、小さな子と遊んだ経験のある人なら見覚えのあるしのでしょう。けれどそのボールを、子どもの友達のように語りかける詩は珍しく、とくに結びに想いが溢れていて共鳴しました。
白いつつじの奥を、しゃがんで覗き込んでいる作者の姿まで目に映ってくるようです。また、「神戸」「東刈谷」と、実在の地名を入れたことも、詩に骨格を与えています。もう一篇、次点の竹山美津江「幻影」は、孫の誕生の日に生まれた小さなカマキリに焦点をあてています。「繊細な手足と純白な体の動きは/チャイコフスキーの弦楽セレナーデ」というユニークな表現にひかれました。カマキリの子を見て連想された音楽ですが、同時にまだ見ぬ孫への讃歌にもなっています。その他の次点は、服部知子「春」、牧村裕「口伝」。選外佳作は以下の通りです。山互遡示子「スクランブル交差点」、東尾緯子「白木蓮」、松本末広「祝福」、南弘子「父の手料理」、吉川俊子「みどりのめ」。
ある詩人が「孫の詩を書くようになったらおしまいだ」と言っていましたが、たしかに、孫が可愛いという気持ちはありふれたものです。それをどう表現するのか、工夫と技術の勝負でしよか。入選作、近藤香織「青いポール」は、詩の中で、“まご”ということばを使っていません。まずその点に注目しました。説明を最小限におさえた簡潔な害き方で、擬人法を巧みにとりいれています。子どもが去ったあと、部屋の隅や庭先にポールが転かっていか素以は、小さな子と遊んだ経験のある人なら見覚えのあるしのでしょう。けれどそのボールを、子どもの友達のように語りかける詩は珍しく、とくに結びに想いが溢れていて共鳴しました。
白いつつじの奥を、しゃがんで覗き込んでいる作者の姿まで目に映ってくるようです。また、「神戸」「東刈谷」と、実在の地名を入れたことも、詩に骨格を与えています。もう一篇、次点の竹山美津江「幻影」は、孫の誕生の日に生まれた小さなカマキリに焦点をあてています。「繊細な手足と純白な体の動きは/チャイコフスキーの弦楽セレナーデ」というユニークな表現にひかれました。カマキリの子を見て連想された音楽ですが、同時にまだ見ぬ孫への讃歌にもなっています。その他の次点は、服部知子「春」、牧村裕「口伝」。選外佳作は以下の通りです。山互遡示子「スクランブル交差点」、東尾緯子「白木蓮」、松本末広「祝福」、南弘子「父の手料理」、吉川俊子「みどりのめ」。